<社会貢献>第7回みらいバスで広野町に行ってきました(3/5)

3月5日(土)、第7回みらいバス「ひろの防災緑地植樹祭~”ふる里ひろの”の新たなみどりをつくろう~」をテーマに、学生・教職員16名で、広野町を訪問しました。

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東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故後、「緊急時避難準備区域」に指定され、自主避難勧告を出した広野町。翌年に避難指示を解除後、町民 へ帰還を促し、現在は約半数の約2,300人が町に戻ってきています。その後、地域の防災と町民の交流機会を創出するために「ひろの防災緑地」の計画がすすめられるなど、復興再生にむけて様々な取り組みが行われています。しかし、震災直後から現在に至るまで、「復興拠点」とされてきた広野町には、住民数をはるかに超える廃炉・除染等の作業員が増加するなどの社会状況が生じているのが現状です。

今回は広野町の植樹祭への参加や住民との交流をとおして、広野町の現状を見つめ、原子力災害を受けた地域において「住民が安心安全に暮らすまち」とは何かを考えました。

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まず、私たちが訪れたのは、広野町駅東側の沿岸部(下浅見川)です。ひろの防災緑地サポーターズクラブや広野町、富岡土木事務所が実行委員会となって開催する、「ひろの防災緑地植樹祭」に参加をしました。この植樹祭は防潮堤に木を植えることで、町民の防災意識の向上をはかるとともに、広野町の景観を守り、将来交流拠点として利活用していこうというものです。
当日は、町民や企業関係者、ボランティアなど約500人が集結し、いくつかのエリアグループに分かれ、クロマツやユズリハなど8種類の苗木をひとつひとつ心を込めて植えていきました。防潮堤の土が硬かったり、石が多くあったりと、想像以上に重労働でしたが、約1時間で終え、防潮堤一体に苗木が広がりました。この苗木が5年後、10年後、20年後どう成長していくのか、そしてそれとともに、どのように広野町は変わっていくのか、楽しみになりました。

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植樹後は、原発事故収束のための中継基地となったJヴィレッジを訪れ、担当者の五十嵐さんに「Jヴィレッジの現在とこれから」についてお話を伺いました。事後後全ての業務を停止し、福島第一原子力発電所への人員輸送や資機材物流の拠点、自衛隊及び消防との調整窓口を担っていたJヴィレッジですが、今年度いっぱいでそれらの機能を福島第一原子力発電所に移す予定で、「収束拠点」としての役割は終えつつあります。平成31年4月には全面再開を目指しており、それに伴い、広野町の流動人口、町の様子に変化が見られそうです。

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次に訪れたのは、「ホテルリーブス」。ここは現在、作業員の方々の宿舎として利用されています。

ここでは、広野町の現状をより詳しく知るため、住民の方にお話を伺いました。ひとりは、避難後、広野町に家族で戻り2人の子どもを育てる阿部理恵さん。もうひとりは、ホテルリーブスなどの作業員宿舎を経営している吉田稔さんです。

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阿部さんは、「家族がいることで、戻ってくることに安心感があった」「放射線のリスクより、避難における子どもたちの精神的なリスクの方が大きかった」といいます。また、阿部さんは「作業員が多くいる現状をあまりマイナスに感じたことはない」とおっしゃっており、何よりも「広野町に暮らす人が楽しく暮らすことが大事」 という意見に参加者は共感していました。

吉田さんは、以前から経営していた旅館を震災で一時休業していました。しかし、作業員が震災直後、車で寝泊まりするような状況であることをうけ、旅館業の仲間を集め、宿舎の再開と作業員の方々が宿泊する施設の整備をしたそうです。また、「住民と作業員の方々との共生」について吉田さんは、「作業員は朝3、4時からの勤務で、一般の生活者とのライフサイクルが異なるため、そもそも交わるきっかけがないのではないか」と指摘 していました。

阿部さんと吉田さんにお話を伺い、メディアなどで報道される作業員のイメージと現状は異なると感じることも多くあり、参加者は多面的に物事を見つめ、町の状況を理解していく必要があることを学びました。

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最後に、広野町出身の木村元哉さんの案内で、広野町内をめぐりました。広野町中央台から町並みを眺め、その後は3月5日(土)にオープンした複合商業施設「ひろのてらす(イオン広野町店)」を見学しました。オープン初日ということもあり、多くの人で賑わっていました。

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品揃えもよく、食事処もあり、今後住民の生活環境がどのように変わるのか、引き続き経過を見てみたくなりました。最後は広野町駅前を訪れ、震災直後の様子を聞いたり、広野町東側開発整備事業で建てられた「広野みらいオフィス」を間近で視察したりしました。

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今回広野町を訪れ、改めて、復興には多くの「人」の力や想いがあって進められ、前に進んでいるということを実感できた一日となりました。その過程に植樹をとおして、参加できたことはとても貴重な体験でした。今後も広野町の歩みをともに考えていきたいと思います。

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<参加者からの声>(一部抜粋)

・自分たちのような若手の力に期待をし、必要としている方々がたくさんいることに気づいた。これからもこういった企画に参加をして、自分の力を必要としている方々の力になりたい。(学生)

・今直面している問題や震災後から現在に至るまでの取り組みなど様々なことを知ることができ、改めて気持ちが引き締まった。私は被災地のことを知り尽くせていないことも分かったので、今後さらに学習を深めて、浜通りを含めて福島県全体についても誰かに語ることができるように努めたい。(学生)

・もう自分の町の道路は直っているし、復興って終わり?と考えていたけど、今回参加をしてみて、現在進行形で頑張っている人がたくさんいることを知って、考えるべき問題があると思った。福島の学生としてそれを知って考えるようになりたいと思った。(学生)

・インフラの復興は進んでいるけど、今後ソフト面、「人」の関わりが重要になると感じた。地域の方々の学生に対する期待の大きさを今回も感じた。(職員)

・とても深く、内容のある、いろんな人に気づき学びがある素晴らしいみらいバスでした。次は植えた木がどうなったか、植えた木のお手入れ、今回の植樹祭をどうつくったのかを関係の方々にお話を聞くという後継の企画など、他の要素を盛り込んだみらいバスができるといいなと思いました。(教員)

 

今回のみらいバスは、平成27年度最後のみらいバスでした。
来年度も引き続き、みらいバスを実施していく予定ですので、次回をお楽しみに!

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