<社会貢献>【みらいバス】第6回みらいバスで浪江町・富岡町・楢葉町に行ってきました(1/23-1/24)<③楢葉町>

1月23日(土)~24日(日)「ふくしまの沿岸部って今どうなってるの?現状と復興に向けた歩みを知る~福島第一原発20km圏内の浪江町・富岡町・楢葉町の今を見つめて~」をテーマに、学生・教職員13名で、浪江町・富岡町・楢葉町を訪問しました。

①浪江町の様子

②富岡町の様子

③楢葉町

楢葉町は、震災当時、推定で10.5mもの高さの津波が町の沿岸を襲いました。また、原子力災害により全町避難を余儀なくされていましたが、平成27年9月、避難指示が解除され住民の帰還が始まっています。ただ、町民の帰還を目指す「帰町目標」を平成29年春に設定していることもあり、現時点で帰町した住民は6%ほどにとどまっています。

楢葉町ではまず23日に、「JAEA楢葉遠隔技術開発センター」を訪問しました。ここは、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業を円滑にすすめるために必要な、ロボットを使った遠隔技術研究・試験を行う施設です。今回は研究管理棟の見学及び、第一原発建屋内の現場環境・作業を模擬できる没入型のバーチャルリアリティシステムを体験させていただきました。

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第一原発の建屋内がスクリーンに映し出され、まるでその中にいるような臨場感。それとともに、建屋内での作業がどれほど困難なことなのか、予想を遥かに超える廃炉作業の厳しさを実感しました。

実際にこのシステムが活用され始めると、原子炉建屋内での作業方法・手順等の適切性の確認や、作業員の教育及び遠隔操作機器の操作訓練の実施が可能となるそうです。

 

翌24日の町めぐりは立命館大学を休学し、「一般社団法人ならはみらい」で働いている西崎さんに案内していただき、「天神岬」からスタート。天神岬は、太平洋と町内が一望できる有名なビュースポットでしたが、現在は津波被害の様子と、仮置き場となり大量に積まれたフレコンパックの山が広がっています。

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木戸川漁業協同組合では、若手職員の青木さんにお話を伺い、施設を案内いただきました。津波と原発による被害から誰もが復活は絶望と思う中、あきらめずに取り組んできた漁協の方の想いと努力に胸があつくなりました。

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2012年から試験的に捕獲した鮭で放射性物質検査を実施し、全て検出されなかったことで、2015年秋には伝統の「合わせ網漁」も復活し震災後初めてサケやイクラが販売されました。

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本州有数のサケの遡上を誇る木戸川では、河口から簗場までの距離が短いことで良質なサケがとれるのだそうです。5年ぶりに販売したイクラは早々に完売。今でも問い合わせがあるとのことで、参加者からは「次回は鮭まつりに来たい」とのリクエスト。ぜひ実現したいです。

 

最後に、いわき市にある楢葉町の応急仮設住宅を訪問しました。まずは、生活支援課の半谷さんから、楢葉町の人々の現状についてお話を伺いました。

半谷さんは、町の方一人ひとりに丁寧に向き合ってこられた方です。ふるさとを離れて暮らすということ、仮設の方のおかれた状況、状況に応じた支援の形についてお話を伺い、一方的ではない支援とは何か?今求められていることは何か?を考えるきっかけになりました。

また、仮設にお住まいの14名の方々とお茶会を開いて交流会をしました。まずは、チーム対抗の競争で体を動かし、福島県の良いところ(おすすめスポット、観光地など)を出し合いビンゴゲームも行いました。あっという間に参加者も仮設の方と溶け込み、笑い声が絶えない時間でした。

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その後、楢葉町への想いなどを伺い、親しくなった方々から実際に聞く言葉は何よりも参加者の心に響いたようです。そして、参加者それぞれが出逢った方々に対して自分には何ができるだろうか、そう考えるきっかけになりました。

「大変なことやつらいことは確かにたくさんあるけど、得したことの方が多いかな。それは、人とのつながり。」

そうおっしゃっていた楢葉町の方の言葉が印象的でした。

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東日本大震災・原発事故から約5年。ふるさとへ「帰る」「帰らない」その選択に正解があるわけではありません。

ただ言えることは、どちらを選んだとしても、それぞれが自立して生活していかなくてはいけないという現実です。

これまで以上に現場の状況に合わせた支援を考えなくてはいけない時期にきていると感じました。今、大学に求められている支援・活動の形を考えながら、今後も継続して地域と関わり続けていきます。

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【参加者の感想】

・私とひとつしか年がかわらないのに、楢葉を第二のふるさととして活動している西崎さんと出会えて、私も福島のためになにかしなければと思いました。 また、仮設にお住まいのおばあちゃんがたと交流ができて、「避難解除」の楢葉町の現状を生の声でお聞きすることが出来ました。戻れる町は戻れるなりの葛藤があることを、直に感じました。(学生)

・木戸川漁協では、震災直後は復興するのかあきらめるか二つに分かれていたそうですが、復興に向けて様々なことに取り組む姿はすごいと私は思いました。楢葉町仮設住宅では、仮設住宅で暮らす方々と交流し、思いを聞きました。話を聞いてみて、若い人材が不足していることを知りました。だから私は進んで被災地に若い力を貢献したいと思いました。(学生)

・仮設の方の言葉を聞き、自分の若い力をこういったところで活かしたいと思いました。また春休みに第9仮設の方達にぜひ会いに行き、名前を覚えてもらえるようにしたいです。1度だけでなく、2度、3度と足を運ぶことが大切であると感じたので、また1年後ぜひ、どう進んでいるのかを見たいです。(学生)

・今回のツアーを通じて、思いもしなかった問題を実感し、その解決には何が必要であるのかを考えるようになったので、すごく意義がある訪問でした。同じ福島県民であっても、普段見られないことであり、想像すらできなかったことである復興作業に尽力する多くの方の様子、町の至る所にある原発事故と津波の痕跡などを見て、完全復興までの課題と福大の役割に関して考えることができました。仮設住宅では、短い時間の滞在にも関わらず提供者側主導の一方的なボランティア活動ではなく、被災民と共にやっていく活動、現実的な問題解決に繋がる「被災民が求めるボランティア活動のあり方」に関しても冷静に考えることができました。今後の教育と研究、社会貢献活動に、今回のツアー中に感じたこと、考えたこと、反省したことを整理し、新たな活動の基盤にし展開したいです。(教員)

・木戸川漁協のサケ漁も、組合員の様々な意見をまとめて、前に一歩踏み出させた責任者の方や若い青木さんの努力と熱意に感動を覚えました。半谷さんも、5年間復興に向けて、住民の方々とともに闘ってきた力強さを感じました。「賠償金で酒を飲んだり、パチンコしている」と福島でも批判する人がいますが、実際に半谷さんや住民の方とお会いして一面的な見方に過ぎないことがわかりました。(教員)

 

※参考

○楢葉遠隔技術開発センター
http://naraha.jaea.go.jp/

○天神岬スポーツ公園
http://naraha-tenjin.net/

○一般社団法人ならはみらい
http://narahamirai.sakura.ne.jp/

○木戸川漁業協同組合
http://www.kidogawa.jp/


■終わりに
今回の「みらいバス」でも、ここに来なくては分からなかった課題や、みなさんの抱えている想いにふれ、自分たちに何ができるのか改めて考える機会となりました。受け入れてくださった各地域の皆様、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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