<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第4回 ふくしまキッズとは何だったのか(11/10)

第4回「ふくしま未来学入門」の講師は、NPO法人教育支援協会 代表理事の吉田博彦さんでした。

「ふくしまキッズ」は、全国のNPO、行政関係者、公民館関係者などの協力を得て、事故発生直後の2011年から5年間、福島の子どもたちへの支援活動を実施。吉田さんは、ふくしまキッズ実行委員会を組織し、事務局長として支援活動に取り組んできました。今回は、「ふくしまキッズとは何だったのか」と題し、これまでの取り組みから見えてきたものについてお話をしていただきました。

そもそも、吉田さんが「ふくしまキッズ」をなぜ始めたのか。
東京電力福島第一原発事故が起きたことで、東京にいる自分たちの電力の供給リスクを福島に負わせてきたということを初めて理解し、その事故によって子どもたちが自由に外であそべないこともわかったのだそうです。そこで、「支援」としてではなく、「市民としての責任をとろう」ということで寄付金を集め始まった活動が「ふくしまキッズ」です。

また、原発に賛成・反対かではなく「現状起こっている子どもたちに対する責任をとらなければならない」という想いに賛同した様々な方によって成り立ち、保養だけを目的とするのではなく、「子どもたちに学びと育ちの機会をつくりだす」「将来の福島復興を担う人材を幾瀬宇する社会教育事業を行う」ことを目的にしています。

 

ふくしまキッズは、2011年より5年間、40カ所以上の地域で支援活動を行い、多くの福島の子どもたちが参加をしましたが、この活動の中で見えてきたものがあります。
ふくしまキッズに参加した子供たちの中では、参加中だけでなく、その後1か月がたって、さらに向上し続けるもの。それは、「共生的精神の成長」「自然、生命への共感」です。参加した子どもたちの中には、自己肯定感が高まり、他者を思いやる気持ちが育ち、ふるさとを想う郷土愛が芽生えたのだそうです。

ひとつのエピソードが紹介されました。
小学校1年生の3人の子どもたちが貯金箱を買って、貯金を始めたそうです。親は、またふくしまキッズにいくために自分でお金をためているのだと思ったところ、実は「自分のためにいろんな人が寄付をしてくれたから、自分も人のために寄付をしなければいけない」と、そのために貯金をしていたのだそうです。

ふくしまキッズではたくさんの方にお世話になりますが、この活動と子どもたちの変化から、何かお世話になると「人の役に立ちたい」という気持ちが芽生えてくるということが分かり、これは「ふくしまキッズ」のみならず、本学の地域実践学習「むらの大学」など、他でも同じことがいえると感じました。

学生からも、
「子どもたちのために支援をしているが、それが子どもたちの力になり、恩返しをしたいという心を育てていることに、子どもたちの持っている力と教育効果を感じた」「人と人の関係が大事であることを再確認した。外からの影響ではなく、人や地域の内側から何かをしたいということが生まれるのが良い社会だと思った。」「依存しないで自分で何かをするという精神がないと復興は進まないという言葉が印象的でした」「自分の考えが広がる良い講義で受けてよかった」などの声が多く聞かれました。

人が幸せになるための教育とは何なのかを考えながら取り組んだ「ふくしまキッズ」。
「人の役にたちたい」という気持ちの芽生えと、子どもたちの成長から、福島の復興のみならず、地域を担う人材を育てるためにどのような種をまいていくか、そのために何ができるのかを改めて考えることができました。

吉田さん、貴重なお話をありがとうございました。

●ふくしまキッズ
http://fukushima-kids.org/

●NPO法人教育支援協会
http://kyoikushien.org/

 

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開講して3年目となる「ふくしま未来学入門」は、学類・学年を問わず受講できる科目で、地域課題の解決をめざし行動する個人や企業などを講師としてお迎えし、その実践的な取り組みや経験について学びます。また、震災と復興における社会問題や諸現象に対し、学問領域の枠組みを超えて多角的・総合的に考える能力を養うことをめざしています。
「他県や外国の方に今の福島のことを聞かれた際にしっかりと現状を伝えられるようになりたい」「大学4年間で自分がどのように福島に関わっていくかを見いだしたい」など、福島のことを知り何かしたいという動機から、250名を超える学類生や留学生、公開授業に申し込みいただいた35名の方が受講しています。
平成29ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1903

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