<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第7回 自然エネルギー、地産地消という「エネルギー・シフト」について(12/1)

第7回の「ふくしま未来学入門」の講師は、会津電力株式会社の副社長 山田純氏でした。

会津電力は、原子力に依存しない安全で持続可能な社会作りと会津地域のエネルギー自立を目指し、小規模分散型の太陽光発電事業などに取り組んでいる会社です。

「エネルギーシフト」とは何か。
東京電力福島第一原子力発電所の事故により、甚大な被害をもたらした日本。エネルギーシフトとは、化石・原子力エネルギーから自然エネルギーに転換することで、ヨーロッパを中心に、世界では既にこれを実現しつつある国があります。

会津電力はこうした動きも受け、「自分たちで使う電力は、自分たちの土地でつくり、自分たちで使う」ことをめざして2013年に立ち上がりました。東京で使われる電気のほとんどが、福島県と新潟県の東京電力の発電所でつくられていました。地方は電気のただの通り道で、市民が払っている電気代も、もとをたどると燃料代として地方からお金が外国に出ていくだけの現状のしくみを変え、「地域にお金をまわす」ことをめざしているのが会津電力です。そのために、会津電力は、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギーを使い、太陽光発電所は小規模・分散型にするという発電所と消費者の距離を近くする方法をとっています。これはまさに、「地方」の強みや特長を活かした事業といえます。

 

しかし、「自然エネルギーと地産地消で地域にお金をまわす」ことには、大きな課題があります。ひとつは、発電所建設投資を回収するまでの期間=電気代を安くできるまで、には時間がかかること。もうひとつは、電力会社の送電線網への依存で、現状の送電線のしくみにより、会津電力が発電した電力の送電には限界があり、持続可能に送電できるかどうかは送配電網をもつ電力会社次第になってしまうということです。

こうした大きな課題に対しても、ゆるがずチャレンジしているのが山田さん、会津電力のみなさんです。「自分たちで使う電力は、自分たちの土地でつくり、自分たちで使う」ことの実現をめざし会津電力がとるアプローチは、「作った電力を使って、高付加価値商品・サービスをつくる」というものです。発電した電力を地域の人たちのためになるサービスにかえ、もうけ、投資回収を早めることで、安い電力を早くお届けする。そして、めざすは、地域に独自の配電・熱供給ネットワークをつくることです。

生み出す電力・サービスすべてを地域の人たちの暮らしの豊かさにつながるものにするという発想と、その実現にむけて日々課題と向き合い取り組む山田さんの姿に、受講生は驚き、目を輝かせていました。

受講生からは、
「電力を電力として売るのではなく、別のものとして売り投資回収を早めるという目の付け所が面白いと思った」、「民間企業や自治体で協力して目標を達成しようとしていると聞いて、この活動に興味を持った」、「エネルギーの観点からのお話だったが、そこから派生するものはたくさんあることが分かった」、「何も知らないゼロの状態からエネルギーの地産地消をめざしてシステムを始めようという考えがとても自分にはできないことと思っていましたが、講義を聞いて、地域に貢献する何かを自分にもできるかもしれないと思うようになった。とても勇気づけられる講義だった」という声が聞かれ、受講生の電力に対する考え方や印象が大きく変化するきっかけになった時間でした。

山田さん、貴重なお話をありがとうございました。

会津電力HP: http://aipower.co.jp/

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開講して3年目となる「ふくしま未来学入門」は、学類・学年を問わず受講できる科目で、地域課題の解決をめざし行動する個人や企業などを講師としてお迎えし、その実践的な取り組みや経験について学びます。また、震災と復興における社会問題や諸現象に対し、学問領域の枠組みを超えて多角的・総合的に考える能力を養うことをめざしています。
「他県や外国の方に今の福島のことを聞かれた際にしっかりと現状を伝えられるようになりたい」「大学4年間で自分がどのように福島に関わっていくかを見いだしたい」など、福島のことを知り何かしたいという動機から、250名を超える学類生や留学生、公開授業に申し込みいただいた35名の方が受講しています。

平成29ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1903

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