<社会貢献>【第15回みらいバス】浪江町を訪問しました(5/20)

第15回みらいバスを実施しました。
「”まちのこし”にむけた農業再開の歩みを知る~田植え体験をとおして~」

5月20日(土)、学生・教職員18名で、浪江町を訪問しました。
今回のみらいバスは、昨年度実施をしたみらいバス(浪江町における5月田植え10月稲刈り)同様、町が行う水稲の実証栽培の田植えに参加をしました。福島大学生のほか、早稲田大学と新潟大学の学生なども参加をし、農家の方々に教わりながら、手植えをしました。

 

浪江町は、東日本大震災及び東京電力第一原子力発電所の事故により、全町避難を余儀なくされましたが、今年の3月31日に避難指示が一部区域を除いて解除をされました。原発事故後、酒田地区での実証栽培は、今年で4年目です。昨年度収穫をしたお米は、生協等をつうじてすべて完売し、今年も、より多くの消費者に浪江町のお米を届けるために、一般販売をめざしています。

手植えをした苗は、コシヒカリ。青々とした葉で、根がしっかりと張った苗でした。参加者のなかには、「田植えは、人生で初めて」「小学生ぶり」という学生もおり、ひとつひとつの苗に、しっかりと育ってほしいという気持ちを込めて、丁寧に植えていきました。

酒田地区で水稲栽培を再開するにあたって、苦労をしたひとつは、農業用水の確保です。震災前は農業用水ダムから水を供給していましたが、震災により堰が壊れ、現在は、井戸水を使用しています。農業にとって不可欠な水。水の確保ひとつとっても多くの苦悩と努力があります。原子力災害を受けた地域において、年月が経ってからの農地復旧や農地保全、農業再開には、課題が多く、それをひとつひとつクリアして、今の実証栽培4年目を迎えている、という重みを感じることができました。

 

田植えの後は、ランチタイム&ワークショップ。
農家の方々や役場職員もふくめ、総勢70名が集まり、農家の方々からお話を伺いながら、お米をはじめとする農産物の「安全性」や「おいしさ」をより多くの方に知ってもらう方法や、「販路」や「消費」を回復するための効果的な取り組みについて話し合いました。町内に人が少なく、人が話し合うことさえ難しい状況だからこそ、町に訪れる人たちとの対話を大事にしていくこと、実際に訪れて聞いたことを身近な人に伝えていくことなどの意見がありました。参加者は、そもそものお米販売のしくみや農地管理の事情などにより、農業再開が一筋縄ではいかない苦悩などを農家の方々から直接伺うことができ、原子力災害を受けた地域特有の難しさを痛感する時間となりました。

 

その後は、宮口副町長や浪江町職員、NPO法人コーヒータイムの橋本理事長に案内をしていただきながら、浪江町駅前や請戸漁港、共同墓地、そしてNPO法人Jinをめぐりました。町内では、公営住宅の整備や小中一貫校となる浪江東中学校の改修工事や、こども園の新築工事が行われ、町民の方々がはやく生活再建ができるよう着々と町内環境の整備が進められていました。NPO法人Jinの川村代表からは、町民誰もが暮らしやすく生きがいを持てるために、「町民が”自立する”ためのサポートが何なのか、よく考えることが大事」という言葉があり、とても印象的でした。


 

今回、田植えをすることで、浪江町に対する愛着が沸いたとともに、さまざまな立場の多くの農家さんや職員のみなさまと交流をすることができ、浪江町のいまの環境、状況について理解を深めることができました。

まずは、自分の目や肌で現状を知り、正しい知識を得て、共有をする。そのうえで、ともに考え動いていくことが、原子力災害の影響を受けた地域の復興に何より必要であると感じます。
秋には、今回手植えをしたお米の収穫です。今年は参加をしたみんなでお米を食べ、浪江町のお米の味をみんなで味わいたいなと思っています。
浪江町のみなさん、ありがとうございました。

 

【学生の感想(一部抜粋)】
●浪江町の現状をテレビやインターネットではなく、実際に現地に行き、自分の目で見ることができたことは、とても貴重だった。
●農家や地元の住民の方々と一緒に田植えを自分の手で直接行ったのはとても、楽しかった。
●特に印象的だったのは農業に携わる方々から、農業の現状についてお話を聞いたこと。
周りの意見を取り入れ、今回のように直接現地を訪れなければ、現実性を感じられず、疎遠になってしまうのだと認識した。
●浪江の地元の人にも、現状を他人事と思っている人と、危機感を持っている人の両極端の人がいることを知りました。
●今回の交流で、農業を通じた人との関わりの大切さを実感することが出来ました。
●以前勤務していた学校に、浪江町出身(請戸)で避難している人がいました。その子の話から、浪江町の事も聞いてはいましたが、今回実際に請戸の様子を見てみて、心に響くものがありました。田植えやワークショップで、地元の方と関わることができ、浪江町への心的な距離も近づきました。

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