<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第11回 「いるだけ支援」って何だ!  ・・・Just be there(1/6)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュールhttp://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

11回目の授業は、本学行政政策学類教授である、鈴木典夫先生を講師にお迎えしました。
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鈴木先生の授業では、災害ボランティアセンターが取り組んでいる「いるだけ支援」を中心にお話ししていただきました。
いるだけ支援とは、仮設住宅に学生が居住しながら(ご近所づきあいをしながら・学校に通いながら)簡易な生活支援・声がけをし、引きこもり防止に寄与する活動です。

福島県では、今も避難生活を余儀なくされている方がたくさんいます。避難生活が長引き、介護が必要になったり、心の健康が損なわれる方もいらっしゃいます。災害関連死は、災害による直接的な死因ではなく、避難途中や避難後の死因について、災害との因果関係が認められるものをいいます。この災害関連死が岩手県宮城県に比べると、福島県は多い傾向にあります。

鈴木先生が顧問を務める本学の災害ボランティアセンターでは、発災直後から、様々な活動を行ってきました。しかし、仮設住宅に時々行く活動だけではわからないことが多く、足湯などでは、若い人の声が聞こえるだけで心が和むという声が聞かれていました。そこで、一人の生活者である被災者によりそい、時間を共有すること、これまでの先生の経験から仮設住宅にはだれかが常駐するべきだと考え「いるだけ支援」が始まりました。
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以前あるテレビ番組で放送された、いるだけ支援の取り組みをまとめた映像を講義では流していただきました。映像では、いるだけ支援の2人の学生が、仮設住宅で奮闘していました。学生がただそこにいるという存在ではありますが、学生がいることで住民の方々の気遣いや心配、何かしてあげたいという気持ちが生まれていました。学生は住民がつぶやいた一言から、これをやってあげよう、笑顔が見たいとがんばります。学生たちはどんどん成長し、住民の方々は、笑顔でいきいきとしていくのがわかります。

映像のあと、先生は「最近人の心の機微にふれたことがありますか」と投げかけました。心の深い部分、そして、人の心の動いた瞬間やその表情にふれる機会は、ほとんどないのではないでしょうか。人に真剣に向き合うこと、心の機微にふれることは、学生にとって非常に貴重な経験になっていると感じました。

先生は、いるだけ支援は、災害時の特別な支援ではないということも強調されていました。被災者支援ではなく、地域を再生する営みを続けているという言葉が印象的でした。
東日本大震災から5年が経過し、まもなく6年目を迎えます。何か支援をするというより、そこで出会った住民の人に、会いたくなったらまた会いに行くということが大切になってきているといいます。それは、あなたを忘れてないですよ、あなたの存在自体が大事ですよと伝えることが大きいのかもしれません。

学生の感想では、いるだけ支援の取り組みに感銘を受けた、自分も取り組んでみたいという声が多数ありました。この授業の受講者の中には、現在いるだけ支援で仮設住宅に住んでいる学生がおり、今の様子などを話してもらいました。この講義によって、多くの学生が一歩ふみだす機会になってほしいと強く思いました。
鈴木先生、ご多忙のところ、貴重なお話をありがとうございました。
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