<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第9回グローバルビジネスを経て、土着性ビジネスに賭ける (12/9)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

第9回「ふくしま未来学入門」の講師は、
会津電力株式会社 代表取締役副社長 山田 純さんでした。
nciz24xeo34ru6t1481599010

今回のテーマは、「グローバルビジネスを経て、土着性ビジネスに賭ける」。

山田さんは、福島市出身で、クアルコムジャパン(株)の代表取締役社長として、スマートフォン時代をつくってこられた方です。現在は特別顧問をされながら、平成25年より、会津電力株式会社の代表取締役副社長に就任され、グローバルビジネスのご経験から、「土着性」ビジネスの実現にご尽力されています。

 

「グローバルビジネスのスタイル」には、大きく3つの特徴があるといいます。
一つは、事業の根幹は卓越したアイディアと技術があること。
二つめは、開発・生産の場所は問わないこと。
三つめは、販売先は世界中どこでもOKであること。
こうした特徴があるグローバルビジネスが、加速拡大するなか、平成23年に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、山田さんは、「ビジネスはグローバルだけに終焉されていくのか、本当にそれでいいのか」という疑問にぶつかります。

山田さんは、そもそも電気はどこで使われ、どこで消費をするのか丹念に調べた結果から、「地方は都会に電力を供給する中継地」であり、現在の電力生産供給のシステムは「地方からお金が海外に出ていくだけ」のものであることに注目。さらに、会津地方は古くから、電力を生産し、首都圏を支え続けた土地であることから、山田さんは「小さな再生エネルギー発電所が各地域にあれば、地域はより持続可能になるのではないか」という仮説のもと、平成25年に会津電力株式会社を設立しました。

会津電力は、原子力に依存しない安全で持続可能な再生エネルギーの普及を行っています。
それは、地域でエネルギーを生み、そのエネルギーを発電所に近い地元の人が使う「地産地消」スタイル。「地産地消に一番向いているのは、電力・エネルギーだ」と山田さんがいうように、これまで、消費者のお金が燃料産出国の海外に流れていたものを、一部、地元の発電所会社(会津電力)に支払われるという、「エネルギー」と「お金」の流れをかえるしくみです。現在は小規模ソーラー発電をメインにしていますが、今後は、小水力事業・風力事業・森林事業と広げていく構想です。

さらに、電気をつくるだけでは地元への還元は不十分で、つくったエネルギーで新商品やサービス開発するという取り組みにも着手しています。そのひとつが、「ワイナリー」。めざすところは、地域でエネルギーを生み出し、そのエネルギーから生まれたプロダクトにより、地域の人に「長い付加価値」を還元すること。会津地方の豊かな自然のめぐみからエネルギーを得、そこからのプロダクトをつうじて地域の人たちを幸せにする。既存のお金の流れや流通のしくみに縛られない、本当の意味で地元に価値を還元するしくみ。開発・生産の場は田舎、販売先は世界中で、自然資源を利用する「土着性ビジネス」こそが、持続可能な地域社会にするには必要であることを教えていただきました。
dsc02837dsc02853

 

学生からは、「震災を通して生まれた疑問をきっかけにビジネスを生み出す山田さんの行動力に驚いた」「電力は当たり前すぎて疑問を持つことなく受け入れてしまっている社会のしくみがあると思った」「原発への反対の声を上げるのではなく、会津電力のように代替するものを考えていくことが必要だと思った」「地産地消というと、食べ物が主だと考えてきたが、その限界があることを知った」「土着性ビジネスは、田舎こそ輝けるビジネスモデルだと思った」という声が聞かれました。

エネルギーの地産地消というイノベーション。
数々な仮説を立てて、多様な方向性を行動しながら探り、新たな「しくみ」をつくるという、考え方を学ぶ貴重な機会となりました。

山田さん、本当にありがとうございました。

会津電力株式会社
http://aipower.co.jp/

Page Top