<社会貢献>【第14回みらいバス】広野町を訪問しました(11/26)

11月26日(土)、「福島をいかに海外に伝えるか in 広野町~”母なる故郷”浅見川の実例から考える~」をテーマに、学生13名と教職員2名で、広野町を訪問しました。

広野町は、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、自主避難をした町です。現在は、約5000人の住民のうち半数が帰町しています。
そうした広野町では、震災前から町の風土と魅力を守る活動として、NPO法人浅見川ゆめ会議を中心に、アユの産卵場所の整備や川辺の清掃活動など、浅見川の環境改善に長年、取り組んでいます。しかし、こうした住民の方々の取り組みや地域の実情は、町外(県外・海外)には中々伝わりにくく、東日本大震災以降、未だに負のイメージが定着しているのも現状です。

今回のみらいバスでは、広野町浅見川を例に、その土地に密着した活動の最前線について学び、それらの取り組みや魅力をいかに町外(県外・海外)に伝えるかを考えました。

 

【浅見川ゆめ会議の鈴木理事長とともに広野町の実情を学ぶ】
浅見川は、阿武隈高地を水源に、町内全域に供給する用水として利用され、長年、町民の生活や町内の産業を支える「ふるさとの川」として、町民に親しまれています。また、浅見川を中心として、豊かな集落が築かれ、食文化や風土が育ってきました。

こうした背景をふまえ、今回はNPO法人浅見川ゆめ会議の理事長である鈴木正範さんに、浅見川の下流から上流にかけて案内いただきながら、広野町の実情を見ていきました。

●温州みかん栽培の北限と言われる広野町
広野町では全世帯にみかんの植木が配布され、お庭には濃いオレンジ色でみずみずしいみかんが数多く実っていました。広野町のみかんは、ほどよい酸っぱさがあり、住民の中には「広野町のみかんを食べたら、他のみかんは食べられない」という方もいるほど。
dsc02026dsc02041

 

●海が広野町を明るくする
広野町の中央台からは、群青色の鮮やかな海を一望することができます。「海が鏡となって、この海があるから広野町は明るい」と鈴木理事長は言います。しかし、東日本大震災で津波被害を受けたことにより、高い堤防ができ、海が町内から見えづらくなってしまった現実もあります。
dsc02051dsc02108
dsc02055dsc02053

 

●透き通るほど美しい水が流れる浅見川
浅見川はどのエリアを見ても、川底が見えるほど綺麗な水が流れていました。浅見川は上流から下流まで400mの高低差があり、この高低差があることで、流れる際に酸素が多く含まれ、綺麗な水が生み出されるといいます。こうした水が、水道用水として町民に飲まれ、農業用水として作物を育む水となっていることからも、広野町の豊かさは水によって育まれていることが分かります。
dsc02113dsc02118

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●安心安全な浅見川を発信する
浅見川ゆめ会議の賀澤事務局長から、福島高専と町建設課と協働で取り組んでいる、浅見川をはじめとする町内の3つの河川の水や土壌、川魚の放射線量測定の結果から見えたことをお話いただきました。町民の生活と密着する浅見川だからこそ、24時間で放射線量の変化を測定し、町内外に現状を発信しています。
dsc02146dsc02116

 

昼食は、鈴木理事長が今年作った新米コシヒカリのごはんやおでん、サラダなどをいただき、親睦を深めました。かまどで炊いたコシヒカリは大変美味でした。鈴木理事長、賀澤事務局長、大変貴重なお話をありがとうございました。
dsc02125dsc02126
dsc02149dsc02152
dsc02157dsc02165

 

また、広野町の遠藤智町長がお越しくださり、「ともに未来をつくる人材として、おおいに広野町で学んでいってほしい」と激励をいただきました。ありがとうございました。
dsc02135dsc02136

 

【国際フォーラムにて、福島を発信するあり方を考える】
午後は、同日に開催された、国際フォーラムに参加するなかで、午前中に学んだことをもとに、「福島の実情を発信するにはどうしたらよいか」を考えました。この「国際フォーラム」は、平成26年度から広野町が主催となり、海外の視点を交えて、被災地全体の復興について考えることを目的に実施しているものです。

今回は、そのなかの「福島をいかに海外とつなぐか-情報発信者としての役割-」というセッションに参加をしました。このセッションでは、「おもてなし福島通訳ガイドの会」のメンバーや福島大学経済経営学類助教のマクマイケル・ウィリアム氏をパネリストに、福島と海外の接点をつくる仕事を通じて見えた現状をお話しいただいた後、参加者がグループに分かれディスカッションを行いました。
dsc02218dsc02197

 

海外からの留学生や研究者も多く、90名近くの参加者が会場に集いました。グループディスカッションでは、①福島の何を伝えたいか?(また、それはなぜか)、②それにむけて、あなたができそうなことは何か?をそれぞれ個人やグループで考え、共有しあいました。
dsc02257dsc02265
dsc02277dsc02261

 

海外からの福島のイメージが震災直後の情報から固定化されていること、福島の正しい情報が誤った状態で流れていること、それにより風評被害が海外のみならず、日本全体でも広がっているなかで、「何を伝えるか」を考えることは、大変難しいことに思います。「何の情報が本当に正しいのか」「何が事実なのか」を、発信する側、福島にいる人間自身が、メディアなどの情報をそのまま鵜呑みにせず、見極めなければいけないことを、このセッションでは大きく実感することとなりました。

今回のみらいバスは、広野町の浅見川を実例に、「発信すること」を考えました。それはまさに、今回見てきたように、福島の復興や実情を発信するにはまず、復興の文脈だけではなく、震災前から人々の手によって受け継がれてきた歴史や文化も含めて、その土地がどんな歩みを経ていまに至るのかを総括して、「知り」「学び」「理解する」ことが必要であることを、痛切に感じた時間となりました。

広野町のみなさま、ありがとうございました。

 

【参加者の声】(一部抜粋)
●町内の多くの場所を巡ることができた。海岸沿いの堤防など原町や小高では見られなかった工事現場を見ることができて、少しずつ復興が進んでいることを実感できた。
●「400年後の広野のために」継続して植物の栽培、管理をしている鈴木さんの姿が印象に残った。継続させることって、大変だけど、すごく必要なことだと再確認した。
●人々の優しさ、町の魅力を肌で感じることができました。鈴木さんや町長さんから町の取り組みや魅力を紹介していただいたので、それを友人などに伝えていきたい。
●実感をともなった経験が人に発信するうえで大事だと思った。
●出身も年齢も違う人々が”Fukushima”について考える機会、すごく良い時間だと思った。学んだこと、感じたことを自分なりに整理して自分のアクションを探したい。
●福島を発信する前に、まず行って、自分が知る事を知ってから、来てもらえるような工夫をしていくべきだと思った。考え、問題意識をもつことが重要であると学んだ。
●自分で調べることが大事だと思った。どこが間違っているのか、自分の認識と事実にどれだけズレがあるのかを言えることが、伝えるうえの義務だと思った。
●様々な職柄の人がいて、いろんな意見が聞けてよかった。いくら言語が話せても、何をどう話せばよいのかわからない人が多い中で、今回のワークショップは留学予定の私にとっても有効なものでした。
●海外から福島のイメージや幅広い方々との意見交換をすることにより、学びが深まった。情報発信の仕方についても改めて考える機会となった。
s5_nopwyks6ddiz1480301963_1480302468

Page Top