<社会貢献>【第13回みらいバス】大熊町を訪問しました(10/15)

10月15日(金)、第13回みらいバスで「大熊町の今を知る ~復興拠点の視察と興き上がり小法師づくりをとおして故郷への想いにふれよう~」をテーマに、学生・職員15名で大熊町大川原地区を訪問しました。

大熊町は、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故により、現在も町内全域が避難指示区域に指定され、全町民が避難生活を送っています。また、原発に近い海側の地域が中間貯蔵施設建設候補地にもなっていますが、避難指示解除準備区域の中屋敷地区と、居住制限区域の大川原地区の除染は終了しました。
今回は、実際に大熊町を訪問して現状を知るとともに、大熊町の方との交流をとおしてふるさとへの想いにふれ、理解を深めました。

まずは大熊町役場の復興事業課課長の志賀秀陽様に、大川原地区を案内していただきました。
車窓からは、草や木が生えて荒れた田畑、除染廃棄物の仮置き場やスクリーニング場、家を解体することを示す赤い看板、通行可能な帰還困難区域にはバリケードが見え、5年以上にわたる全町避難を実感させられました。
それと同時に、線量の低い大川原地区を復興拠点として、東電の社員寮や、原発で働く作業員にあたたかい食事を作って届ける給食センター、メガソーラーが建設されるなど、町が少しずつ動き始めていることも感じました。
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拠点に戻り、復興事業課復興係長の風間真由美様からは、どこへ行くかも分からない状況で避難した当時の様子や、想いを伺いました。
大切なものを捨てなくてはいけなかった辛さ、ふるさと大熊町のことを語れない苦しさ、進まないふるさとの復興とふるさとを想う虚しさ、忘れられるのではないかという怖さなど、大熊町の方がどのような心境で過ごしていらっしゃるのかを、知ることができました。その中で、「誰にでもできる支援」としてお話しくださった「忘れない・考える・伝える」ということは、今回のみらいバスをとおして、今すぐ自分にも行動に移せることとして学生の心に強く響きました。

町役場現地連絡事務所の鈴木久友様からは、大熊町の現状や「じじい部隊」のこれまでの取り組みについて話をしていただきました。大熊町は、町民の96%が居住していた地域が帰還困難区域に指定されています。その中で、じじい部隊の6名の方が交替でほぼ休みなく、町内の巡回や、一時帰宅の住民のサポートをされてきた姿に胸を打たれ、もっと話をじっくり伺いたいという声が参加者からも聞かれました。

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午後は、今年の5月に開所した「福島給食センター」を訪問しました。ここでは、東京電力福島第一原発で働く方のための食事を毎日約2,000食作り、トラックで運んでいます。
福島給食センターができたことで、現場で働く方はこうして温かい食事を食べることができようになるなど、事故直後の過酷な現場環境もこの5年半で少しずつ改善されてきたとのことでした。

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センター内を見学した後、東京電力ホールディングス株式会社 副社長/福島復興本社代表 石崎芳行様に、第一原発の現状と東京電力の取り組みについてお話を伺いました。
一号機から四号機の様子なども、説明いただいて初めて理解できることも多く、この事故の大変さや廃炉作業への長い道のりを改めて感じました。
その中で、「厳しい現場環境だけど普通の現場に戻そう」を合い言葉に、どんな作業員も1日安心して働け、翌朝も笑顔で出勤できるように、作業環境の改善に取り組んでいるとのことです。
今回の視察で、廃炉作業には、第一原発で作業されている方だけでなく、給食センターで働く方、除染をする方など本当に多くの方が関わっているのだと分かりました。学生からも、「メディアをとおしてマイナスなことしか知らなかったが、自分の知らないところでいろいろな方が支えてくれているのだと実感した」という声が聞かれました。

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「おおちゃん小法師」の絵付け体験には、避難先の会津若松市より「大熊町こぼし会」の皆様にお越しいただきました。
「起き上がり小法師」は会津の縁起物。何度倒れても起き上がることから「震災から必ず立ち上がる」という気持ちを込めて、大熊町のマスコットキャラクター「おおちゃん」をモチーフに、ボランティアで作られています。
つくりはじめたら、あっという間。参加者それぞれの表情のかわいい興き上がり小法師ができました。
 
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最後は、農業委員会会長のより、ひまわりの種の贈呈式が行われました。
これは、避難先の喜多方で育てたひまわりの種を沖縄でまき、沖縄で咲いたひまわりの種を大熊町大川原地区にまき、今年の夏に大熊町で咲いたひまわりの種です。この「福島・沖縄 絆プロジェクト」の種をとおして、種を受け取った人がまたどこかで育て、その想いをつないていってほしいという願いがこめられています。

今回のみらいバスをとおして知ったことやその想いを、このひまわりと共に、それぞれがそれぞれの言葉や場所でつないでいきたいと思います。

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この1日の出逢いは、学生にとって「忘れない・考える・伝える」という想いを持ちながら、これから何か自分にできることを考え、行動するきっかけになりました。

お世話になった大熊町の皆様、どうもありがとうございました。

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【参加者の感想】
・田んぼや畑だった所は一面草で覆われていたり、広い土地は仮置き場になっていたり、家の入口等にはゲートがあったり、見ていて心が痛んだ。その半面、復興に向けて少しずつ前に進んでいる様子も見ることができた。
・今回参加して、通信媒体を通じてしかイメージできなかった大熊町の姿、そして大熊町の人の姿を感じることができたことができてよかった。
・福島に今現在も人が住めない状況や地域があるということを、他の地域でも教訓として生かしてほしい。
・様々な立場・境遇の人がいることを学んだ。帰りたくても帰れない人、町内で働いている人、これからの町のあり方を手探りながら考えている人、それを目で確かめに行く人、多くの人の支えによって、大熊町が希望を持って前に進んでいることを実感した。
・戻りたい人のためにも大熊町の居場所をつくることも大切だと思ったし、戻らないと決めた人にとっても「ふるさと」があるということがいいと思う。大熊町のことを伝えて行きたい。
・自宅にひまわりの種をまいて、それが咲くたびに、今回大熊町を訪れたことを思い出したい。
・「百聞は一見に如かず」ということがよく分かった。福島大学に進学したからこそできることを考えさせられた。

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