<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第2回「富岡町の役割と復興への軌跡」(10/14)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

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第2回「ふくしま未来学入門」の講師は、富岡町産業振興課課長の菅野利行さんでした。
菅野氏は、東日本大震災時には総務課課長補佐として災害対策本部に所属し、前例のない混乱の中指揮してきました。現在は、産業振興課長として、帰還に向けた大型複合商業施設整備や中小企業・農林産業の再興への取り組み、太陽光発電事業、賠償を所管しています。
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まず、この授業は1年生が多く、県外出身の学生も多いことから、現在も避難生活が続き、約9万人の人たちが県内外に避難している基本的なことをお話ししていただきました。学生からは「富岡町という町は恥ずかしながら知らなかった。今もなお避難している人がいるということに驚いた。まだ苦しんでいる人々がいるという事実を知れてよかった」という感想がありました。福島に住んでいても、震災や避難といった状況を知らない学生が多いことが現実です。

 

今回の原発事故による避難とはどういうことなのか。進学や就職のように自分で選択し、覚悟してふるさとを離れたのではないことが決定的な違いであり、だからこそ何で避難しなくてはいけないのか、志半ばにしてふるさとを離れた思いや感情が強くあるということに気づかされました。
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また、国は避難指示を出すだけで、町が対策をしないと町は消滅してしまう可能性があることも現実だと知りました。富岡町では第二次復興計画に、帰還する、帰還しないだけではない、第三の道を明記しています。そのために、震災後住所を町外にうつした人にも、引き続き情報提供を行い、きずなづくりを進めています。

富岡町では、来春に一部地域が避難指示解除されます。菅野課長は、避難指示が解除されたから終わりではない。今後も伝えていくこと、関心をもってもらうこと、知ってもらうことが必要だとおっしゃっていました。それは「絶対に同じことを繰り返してはいけない」という思いがあるからです。
この菅野課長の言葉に、学生からの反応も大きく、「もっとたくさんのお話を聞きたいと思いました」「自分のできることからやっていきたい」「未来を担う私たち福大生が課題解決のためにボランティアなどを積極的に行っていきたい」という感想が多く聞かれました。

震災以降、まったく人生が変わってしまった菅野課長は、「2回の公務員人生を生きている。震災前後で全く違う。震災後の公務員人生は大変だけれど、多くの人に出会い、このような場で話をさせてもらっていることがありがたい、つらいこともあるが楽しんでいます」とおっしゃっていたのが印象的でした。冒頭、90分では全てを伝えきれない、引き受けなければよかったと冗談ながらおっしゃっていましたが、まだまだお話しを聞きたかったという感想が多かったです。

今後、直接富岡町を訪れる機会をみらいバス等で提供し、より富岡町への理解を深める機会をつくっていきたいと考えています。

菅野課長、お忙しいところ貴重なお話、ありがとうございました。
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<参考資料など>
➀富岡町 東日本大震災・原子力災害の記憶と記録 2011.3.11-2014.3.31
冊子は、富岡町のホームページからダウンロードできます。動画は、富岡町フェイスブックから見ることができます。

②「福島・インサイドストーリー 役場職員が見た原発避難と震災復興」公人の友の社 今井照・自治体政策研究会編著  11月刊行予定

③「原発被災地の復興のシナリオ・プランニング」 公人の友の社 金井利之・今井照 11月刊行予定

④「地方創生の正体ーなぜ地域政策は失敗するのか」ちくま新書 山下祐介・金井利之 2015年既刊

⑤「自治体再建ー原発避難と「移動する村」」ちくま新書 今井照 2014年既刊

⑥富岡町ホームページ http://www.tomioka-town.jp/

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