COC公開授業

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】 第10回 地域のめぐみを活かしたこれからの街づくり(12/16)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュールhttp://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

10回目の授業は、(株)東芝、インフラシステム・ソリューション社 事業開発センター地域エネルギー担当 小西千晶氏をゲスト講師にお迎えしました。
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小西さんの授業は、昨年に続き2回目です。「地域のめぐみを活かしたこれからの街づくり」と題して、日本の電気事情をはじめとして、地域資源を利用したエネルギーについて事例を交えてお話ししていただきました。

岩手県の事例では、岩手県の灯油・重油販売額と、岩手県で生産されたお米の生産額はほぼ同じということだそうです。一生懸命作ったお米が、すべて産油国への支払いで消えてしまうのです。地域にある資源をエネルギーにし、その地域で使うことが大切であることを強調されていました。

岩手県久慈市では、震災後、地域にある資源を見直し、木を加工する際に出た端材をエネルギーとし、しいたけ栽培を始めたそうです。これまで処分していた端材を活かし、無駄にせずエネルギーとする。とても効率がよく、地域にも環境にもやさしい取り組みです。
この取り組みには、企業だけではなく、行政、住民、大学、森林組合、製材業者という多様な主体が関わっています。小西さんからは、「一人一人が自分の役割を果たし、みんなで協力しあうことで実現できる」という力強いメッセージをいただきました。これはこの取り組みに限ったことではなく、何か事業や取り組みを行うときは、お互いを認め合い、助け合って成し遂げていくことが必要だと感じました。

また、世界では森林が減少していますが、日本の森林は増えているというもの驚きでした。
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学生からは、「日本のエネルギー問題は、思っていたよりも深刻であり、真剣に考えなければいけないと思った」「当たり前のことになっていると、無駄が見えづらくなる」「震災があり、あれもできない、これもできないではなく、この地域ではこれができるという見方を変えることが大切」といった声がありました。また、「大企業が地域密着型の活動をしていることに関心をもった」という東芝さんの地域に貢献した活動への興味関心もありました。

昨年建設途中だった、しいたけ工場は生産が始まっており、着実に地域のめぐみを活かしたまちづくりが進んでいることがわかりました。小西さん、貴重なお話ありがとうございました。
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<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第9回グローバルビジネスを経て、土着性ビジネスに賭ける (12/9)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

第9回「ふくしま未来学入門」の講師は、
会津電力株式会社 代表取締役副社長 山田 純さんでした。
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今回のテーマは、「グローバルビジネスを経て、土着性ビジネスに賭ける」。

山田さんは、福島市出身で、クアルコムジャパン(株)の代表取締役社長として、スマートフォン時代をつくってこられた方です。現在は特別顧問をされながら、平成25年より、会津電力株式会社の代表取締役副社長に就任され、グローバルビジネスのご経験から、「土着性」ビジネスの実現にご尽力されています。

 

「グローバルビジネスのスタイル」には、大きく3つの特徴があるといいます。
一つは、事業の根幹は卓越したアイディアと技術があること。
二つめは、開発・生産の場所は問わないこと。
三つめは、販売先は世界中どこでもOKであること。
こうした特徴があるグローバルビジネスが、加速拡大するなか、平成23年に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、山田さんは、「ビジネスはグローバルだけに終焉されていくのか、本当にそれでいいのか」という疑問にぶつかります。

山田さんは、そもそも電気はどこで使われ、どこで消費をするのか丹念に調べた結果から、「地方は都会に電力を供給する中継地」であり、現在の電力生産供給のシステムは「地方からお金が海外に出ていくだけ」のものであることに注目。さらに、会津地方は古くから、電力を生産し、首都圏を支え続けた土地であることから、山田さんは「小さな再生エネルギー発電所が各地域にあれば、地域はより持続可能になるのではないか」という仮説のもと、平成25年に会津電力株式会社を設立しました。

会津電力は、原子力に依存しない安全で持続可能な再生エネルギーの普及を行っています。
それは、地域でエネルギーを生み、そのエネルギーを発電所に近い地元の人が使う「地産地消」スタイル。「地産地消に一番向いているのは、電力・エネルギーだ」と山田さんがいうように、これまで、消費者のお金が燃料産出国の海外に流れていたものを、一部、地元の発電所会社(会津電力)に支払われるという、「エネルギー」と「お金」の流れをかえるしくみです。現在は小規模ソーラー発電をメインにしていますが、今後は、小水力事業・風力事業・森林事業と広げていく構想です。

さらに、電気をつくるだけでは地元への還元は不十分で、つくったエネルギーで新商品やサービス開発するという取り組みにも着手しています。そのひとつが、「ワイナリー」。めざすところは、地域でエネルギーを生み出し、そのエネルギーから生まれたプロダクトにより、地域の人に「長い付加価値」を還元すること。会津地方の豊かな自然のめぐみからエネルギーを得、そこからのプロダクトをつうじて地域の人たちを幸せにする。既存のお金の流れや流通のしくみに縛られない、本当の意味で地元に価値を還元するしくみ。開発・生産の場は田舎、販売先は世界中で、自然資源を利用する「土着性ビジネス」こそが、持続可能な地域社会にするには必要であることを教えていただきました。
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学生からは、「震災を通して生まれた疑問をきっかけにビジネスを生み出す山田さんの行動力に驚いた」「電力は当たり前すぎて疑問を持つことなく受け入れてしまっている社会のしくみがあると思った」「原発への反対の声を上げるのではなく、会津電力のように代替するものを考えていくことが必要だと思った」「地産地消というと、食べ物が主だと考えてきたが、その限界があることを知った」「土着性ビジネスは、田舎こそ輝けるビジネスモデルだと思った」という声が聞かれました。

エネルギーの地産地消というイノベーション。
数々な仮説を立てて、多様な方向性を行動しながら探り、新たな「しくみ」をつくるという、考え方を学ぶ貴重な機会となりました。

山田さん、本当にありがとうございました。

会津電力株式会社
http://aipower.co.jp/

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第8回 ワカモノの夢が地域を変える!(12/2)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

第8回「ふくしま未来学入門」の講師は、
日本財団学生ボランティアセンター 常務理事の古川秀雄さんでした。

古川さんは、2010年に、大学生の社会貢献活動を促進するために、「Gakuvo(ガクボ)」を設立。ボランティア活動へのキッカケづくりから、活動をブラッシュアップさせるインキュベーション型プログラムを創出し、多くの学生をさまざまな現場へ送り出してきました。
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今回のテーマは、「ワカモノの『夢』が、地域を変える!」

東日本大震災の被災地における学生ボランティアを事例に、「そもそもボランティア」とは何か、なぜ若者に期待をするのかなど、「ボランティア」の本質的な意味を深く捉え直し、自分やこれからの社会について考えました。
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「ボランティア」に対するイメージは、さまざま。無償・自己満・エライこと・・・など。
しかし、ボランティアの本質は、「その困っている人がもう二度と、困らないようにするにはどうしたらよいか?」を考え行動すること。ボランティアをすることや現地に行くことに満足するのではなく、その行為をつうじて、①自分は、②周りの人は、③社会は、④困っている人自身は、どう変わらなければいけないのか、を考える。対処療法的なボランティアから、新たな「価値提案型ボランティア」がこれからの社会に必要なボランティアであると言います。

古川さんは、男女や年代別の「希望」の有無やボランティア活動への参加状況などのデータから、「希望がある人ほど、行動する人の割合が多い」ことを示しました。しかし若者は、希望を持っているものの、地域活動に対しては「参加の仕方が分からない」人が大半。このことは、地域活動への潜在的能動者が多いことを示しており、若者を地域活動の参加に結びつけることができれば、これからの社会が良くなるということも示しています。

若者には、その「存在」だけで、地元の人の表情を豊かなものに戻し、地元の人の希望をつくる力があります。若者が、ボランティアにおけるコミュニケーションをつうじて、地元住民のつぶやきに耳を傾け、寄り添う。そうして、若者が社会とつながり、社会のなかで生きる一人の人間として、人の役に立ち、人々の「希望」の実現にむけて動いていく。この循環こそが、地域や社会を良くするということを教えていただきました。
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受講生からは、「ボランティアのイメージが180度変わった」「ボランティアって身近で日常に溢れていると思った。不安要素がたくさんありボランティアに行けずにいたが、そんなことは関係ないんだと気づいた」「ボランティアは量的な作業ではなく、人と人とが関係しあう活動であることに気づいた」「若者が動かないとやはり社会は変わらないと再認識した」という声が聞かれました。

この講義をとおして、受講生は「自分のいまや未来」を考えるだけではなく、それらと「社会の未来」とを重ね合わせながら、「いま福島大学生として、人や社会にできることは何か」を考える機会となったように思います。

ボランティアをしたことがある学生も、したことがない学生も、自身のこれまでの経験や想いを振り返りながら、古川さんのお話に対して理解を深めていました。「自分にもできることがある」「大学生だからこそできる感情表現や行動力で誰かの支えになれるんだ」「自分の強みを人のために、役に立ちたい」と、次への一歩を踏み出す勇気を、古川さんのお話からもらった受講生が多くいました。これからの受講生ひとりひとりの行動、歩みに期待します。

古川さん、貴重なお話をありがとうございました。

日本財団学生ボランティアセンター(Gakuvo)
http://gakuvo.jp/

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第7回 原発23キロメートルでの医療支援 今現場でなにが起きているのか(11/25)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュールhttp://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

7回目の授業は、相馬中央病院、南相馬市立総合病院で医師をされている、坪倉正治先生をゲスト講師にお迎えしました。

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坪倉先生の授業は、昨年に続き2回目です。先生の授業は、放射線の基礎知識はもちろんのこと、これまでのデータの結果やそれに基づいた分析による説明で、理解が深まります。
先生いわく、福島県内の中高生は放射線のことを学ぶ機会はあるが、それ以降学ぶことはなく、知識が増えていかないとのことでした。
学生の感想では、県外出身の学生は、「全国に知らせていきたい」「家族や友人に正しい知識を広めていきたい」県内出身の学生は、「福島県民として放射線について学ぶこと、伝えていくことは義務」という声があり、今日得た知識をぜひ伝えていってほしい、学び続ける、関心を持ち続けてもらいたいと思いました。

また、印象的だったことが、「健康」の考え方です。避難したことにより、コミュニティの離散、家族の世帯分離が進み、具合が悪いときに「病院に行ったほうがいいよ」と言ってくれる人が近くにいなくなってしまったことで、病気が進行してしまってから病院に来る人が増えたとの話がありました。健康は、普段は意識することが少ないですが、生活環境や周りの人たちとのつながりで保たれていることに気づかされました。また、避難によってコミュニティが失われたことは、多くのことで損失になっていると感じました。
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その他、学生からは「人は一人では生きていけないと実感した」「放射線については学び続けていきたい。自分の言葉で説明できるようになりたい」「この授業を受けられてよかった」「このような授業が学べる福島大学に入学できてよかった」という感想もありました。

放射線のことは、福島にいる私たちだからこそ、理解し学び、伝えていく必要があると実感した授業でした。学生の声には「放射線のことは、多くの人がよくわかろうとしないまま避けていることが、不安にさせていると思った」とありました。そのとおりで、よくわからない、わかろうとしない人が多いことが、放射線や、福島県の農作物等への理解につながっていかないと思いました。福島に住む私たちができること、それを一人ひとりが理解し、行動するきっかけになったと思います。
坪倉先生、たくさんの示唆に富むお話をありがとうございました。

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<教育><社会貢献>「ふくしま未来学入門」第6回 未来創造学~ふたば未来学園高等学校の取組み~(11/18)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

【第6回 -ふくしま未来学入門- 丹野純一氏】
6回目の授業は、ふたば未来学園高等学校 校長 丹野純一氏をゲスト講師にお迎えしました。
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これまで、「ふたば未来学園」というと特色のあるカリキュラムや取り組み、豪華な講師陣などのイメージが強いですが、今回は教育に対しての校長の想いをお伺いしました。

ふたば未来学園高等学校では、教育目標を策定するにあたって、「震災と原発事故を経験した私たちに課せられた使命は何か?」ということをまず考えたそうです。震災と原発を経験した私たちだからこそ、これからどのような社会をつくっていかなければいけないのか、考えなくてはいけないことだと強く思ったそうです。
その中で大切にしているのは「対立を乗り越え共存をはかる力」「コミュニティー能力をはぐくむ」ことだそうです。
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校長が大切にしている、他者を理解しようとする心や、違いを乗り越え共存をはかろうとすることは、どのような分野でも大切なことに思いました。
学生からも、「東日本大震災を経験した者として、この災害を、この事故を忘れさられないためにも、自分たちがこれからの日本を変えていく、つくっていくんだという自覚をもつことが大事だと感じた。」などの声が聞かれました。

丹野校長、おいそがしい中、貴重なお話をどうもありがとうございました。
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<社会貢献>特別企画:南相馬市桜井市長との懇談会を実施しました(11/11)

11月11日(金)に、南相馬市の桜井市長を迎え、震災直後の状況や苦労、地域の課題解決に向けた実例から、地域復興を担う人材育成を目的に、参加者の質問にお答えいただく懇談会を実施しました。

一般の参加者を含め、約15名で終始和やかに懇談を行いました。参加者からは、市長と直接話す機会は貴重であり、市長の意外な一面も知ることができたと好評でした。

参加者一人一人が福島をなんとかしたいという強い気持ちを持っており、市長に積極的に質問をしていたのが印象的でした。このように市民の方々と市長や著名な方々との懇談会を、今後も開催していきたいと考えています。

桜井市長、お忙しいところありがとうございました!
dsc01862-2dsc01865-2昼食を取りながら懇談です              貴重なお話しを聞くことができました

南相馬市の桜井市長のふくしま未来学入門の講義の内容はこちら
 

 

 

 

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第5回 南相馬市の現状と復興に向けた取り組み(11/11)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

第5回「ふくしま未来学入門」の講師は、南相馬市長の桜井勝延市長でした。
平成22年より南相馬市市長となり、現在二期目の桜井市長。震災当時、被災した南相馬市の窮状や支援等をYouTube等にて訴え、米国タイム誌から「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれました。
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南相馬市は、平成18年に旧小高町、旧鹿島町、旧原町市が合併して誕生しました。そこが原発事故によってどうなったのか・・・。
今回は、「南相馬市の現状と復興に向けた取り組み」と題し、震災・原発事故から5年8ヶ月たった南相馬市の現状と、震災直後の市としての判断、その後の取り組みについて市長の想いをお話しいただきました。
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南相馬市は、津波の被害も大きく636人が犠牲になり、その中にはまだ行方不明の方も多くいます。
さらに、震災関連死は、現時点で489人と福島県で最多、現在も増えています。避難を余儀なくされた中で、年配の方、入院患者、特別養護老人ホームの方等は事故後6ヶ月の中で、318名亡くなったそうです。

南相馬市は平成23年、東京電力第一原子力発電所の事故をうけ、原発からの距離が半径20km圏内、20~30km圏内、30km圏外というように線引きされました。そして、それは20km圏内が小高区、20~30km圏内が原町区、30km圏外が鹿島区と、おおよそ合併前の自治体と同じ区域で分断されました。この線引きによって、義援金がもらえる区域とそうでない区域ができ、賠償金の金額にも差が生まれたことで、住民の中に分断が起きました。そして、住民たちのどこに向けたらいいのかやり場のない怒りや不満は、自治体の職員などに向けられるという構図が生まれ、職員が疲弊し、現場を去っていった方も多いそうです。

原発事故によって避難を余儀なくされたことで平穏な暮らしを奪われ、賠償金の差がによって住民同士に溝ができるなど、原発事故がどれだけ人々の心や命を疲弊させていったのか、熱く語ってくださいました。
学生も、「同じ国の隣県で、あの日から何が起きて何が変わっていったのか、メディアでは知る事のできない現実を知り、改めて震災の恐ろしさや悲惨さ、その中で生きてきた人々の心の傷と強さを知る事ができた」と、その過酷な現状と課題の複雑さを改めて感じたようです。
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南相馬市は、脱原発都市宣言をし、原発のエネルギーに依存しないまちづくりを進めています。
https://www.city.minamisoma.lg.jp/index.cfm/8,23464,75,html
原発立地地域周辺では、緊急時の避難計画が策定されますが、今回のように、「何かあったときに避難を余儀なくされるようなエネルギー政策はよくない」と語る市長の言葉を聞いて、そのリスクにはっとしたという学生も多くおり、改めて原発とはどういった存在なのかを考えるきっかけにもなりました。

南相馬市では、今年7月12日に帰還困難区域を除く全ての地域で避難指示が解除されました。
少しずつ前に進む中で、課題はまだまだ多くあります。

桜井市長の言葉に、「人が生きるために必要なのはお金だけではない。お金があるから立ち上がれるわけではない。人は、“何のためにいきるのか”、その答えを見つけた人が立ち上がることができる。」という言葉がありました。
それは、この震災や原発事故で起きたことを改めて考えるとともに、自分に何ができるのか、どのように覚悟を決めて行動するのか、自分自身をふりかえることにもつながりました。
そして、「いろいろなことを吸収できる、選択することの出来る今を、恥をかくことをおそれないでがんばってほしい」、という市長からの熱いエールは、学生の心にも深く刻み込まれました。

学生からは、「行政的な視点で、原発と住民の間で揉まれる当時の様子がリアルに伝わった」「原発の近くにある市町村が震災後、どんなに苦しい思いをしてきたのかが伝わった」という声が多く聞かれ、同じ市民でありながら、市や市民のために働いてきた市長はじめ職員の方々の大変さを強く感じたようです。

また、福島県にいても知らないことも多いのだと気づくことができ、「県民としてこの原発事故の実態をきちんと知って、将来この震災や原発事故からの教訓を活かした地域づくりができるような職業につけるよう4年間しっかり学んでいきたい」など、これからの学生生活でどのように学びを深めていくのか、考えるきっかけにもなりました。

桜井市長、おいそがしい中貴重なお話をしていただきどうもありがとうございました。
dscf8097授業後、南相馬市で活動している学生団体「うんとイイトコ南相馬!」のメンバーと記念撮影。

●南相馬市ホームページ http://www.city.minamisoma.lg.jp/

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第4回 新しい農業のカタチを創る(11/4)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28年度スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

 

第4回「ふくしま未来学入門」の講師は、大野農園株式会社 代表取締役の大野栄峰さんでした。
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大野さんは、福島県石川郡石川町出身。震災後の2012年、父親が創業した大野農園を継承するとともに「大野農園株式会社」を法人設立されました。
果実を使用した商品開発や農地を活用した農園イベント、地域の食材を発信するキッチンカーの運営を行うなど、従来のモノ作りだけにとどまらず、新しい農業の可能性に挑戦し続けています。

今回は「新しい農業のカタチを創る」をテーマに、東京電力福島第一原発の事故後、大野さんが実家を継いで農業を始めた想いと、これまでどのような取り組みをされてきたのか等をお話しいただきました。

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大野農園を法人化した大野さんは、従業員を通年雇用しています。繁忙期しか人を雇うことができないという農家が多い中、「仕事」として人を受け入れ農業ができるように、加工品の商品開発をするなど、その受け皿をつくっています。

原発事故後、福島では廃棄される食材が山積みの状態でした。食べられることなく捨てられていく、福島のおいしい野菜や果物をどうしたら食べてもらえるのかと考え、安心安全・おいしさを伝える切り口を変えたのが、様々な福島県産の食材で作ったピザを提供するキッチンカー「Orageno(オラゲーノ)」です。
安心安全を全面に出して販売していたころ、福島県産と知ったら目の前で桃ジュースを捨てられ手を洗われたこともあったそうですが、発信の仕方を変えたことで、今まで手にとってもらえなかったものを、お客さんが喜んで受け入れてくれるようになったとのことです。

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また、農家にとって当たり前のように見ていたことや、やっていることの中に価値を見いだし、農家にとってはただの「作業」だったものなどを農園での「体験」「イベント」という形で消費者に提供もしています。
それまで生産者にとって重労働な作業のひとつだった「リンゴ木の枝ひろい」をイベントにしたという話には、「どちらにとってもプラスになる素敵なやり方だと思った」「これまで農業に興味のなかった人をつなぐことができ、課題解決にもなる」と視点を変えることの大切さを感じた受講生が多くいました。
これまでのやり方を継承するだけではなく、常に変化、そして進化していくことを目指している大野さんのユニークで新しい取り組みは、農業以外にもあてはまると、刺激になったようです。

そして、風評被害を機に、競合である福島県の農家同士がひとつになり、「一般社団法人COOLAGRI(クールアグリ)」を立ち上げ、活動を行っています。これは、福島県内の若手一次生産者の有志団体で、福島県の食を進化させ、継承し、「農業を豊かに」「農業を憧れに」「農業を仕事に」をコンセプトに、次世代の若者達へ希望を繋ぐさまざまな取り組みをしています。

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競合であるため、なかなか農家さん同志がつながることは難しいそうですが、同じ風評被害に苦しんできた福島だからこそひとつにまとまれたのではないかとのことです。その中で行っている課題解決に向けた取り組みは、とても画期的であり、ワクワクするものばかりでした。
このように農家がつながり、個人ではできなかったことを行い、これからの農業を考えていく仕組みは、全国のモデルになり、新しい農業のカタチをつくっていくのではないかと感じました。

学生から特に多かったのが「今までの農業のイメージが話を聞いてガラッと変わった」という声です。
また、「農業の大きな可能性を感じ、自分も体験したいと思った」「視点を変え、様々なものに価値を見いだすことの大切さを学んだ」「新しい発想・視点を持って物事に取り組むことが必要と感じた」「関心を持ってもらうために、自分から変化を求めて行くことが大事だと感じた」などの声が多く聞かれました。

生産すること・加工することだけではなく、コンセプトをしっかりと作り新しい農業を提案している大野さんの取り組みは、農業の枠を超え、福島にとっても、大いなる可能性を感じるものでした。

大野さん、素晴らしいお話をありがとうございました。

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こちらは間もなく発売される「大野農園のドライフルーツ」
しっとり肉厚でほどよい甘さ。もも、なし、りんごの三種類あり、フルーツそのものの味が楽しめます。かわいいパッケージはプチギフトとしてもおすすめです。

 

 

 

 

 

大野農園
http://www.oononouen.com/

COOLAGRI
http://coolagri.jp/

<社会貢献>【募集】南相馬市桜井市長との懇談会参加者を募集します

ふくしま未来学入門では、地域課題の解決をめざし行動する個人や企業の方々を講師としてお呼びし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学びます。

11月11日(金)の講師は、南相馬市の桜井市長です。

この日は特別に、授業後に昼食を取りながら桜井市長を囲み、懇談会を開催する予定です。
市長と直接お話しできる機会です。ぜひご参加ください。

参加希望の方は、授業を受講してもらうことが条件となります。

<ふくしま未来学入門授業>
日時 11月11日(金)10:20-11:50
場所 福島大学 L4教室
※L4教室前にて受付をいたします
詳しくはこちら

<南相馬市桜井市長との懇談会>
日時 11月11日(金)12:00-13:30
場所 福島大学内
内容 昼食を取りながら、南相馬市の桜井市長と意見交換および懇談を行います
会費 千円程度(お弁当代として) 当日会場にて徴収いたします
募集人数 約10名

・申込について
参加には事前申し込みが必要です。参加希望の場合、11月4日までに以下のアドレスにメールで、お名前・ご所属・連絡先をご返信いただきますよう、よろしくお願いいたします。
miraigaku@adb.fukushima-u.ac.jp
なお、申し込み多数の場合、先着順とさせていただきます。

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桜井市長

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第3回 福島復興の全体像~福島ならではの動向と課題~(10/21)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

 

第3回「ふくしま未来学入門」の講師は、復興庁 福島復興局長の木幡 浩さんでした。
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木幡さんは、東京電力第一原発事故によって全村民が避難している飯舘村のご出身。1984年旧自治省入省後、長崎県、徳島市、香川県での自治体勤務、総務省などでの勤務の後、岡山県副知事、消防大学校長を歴任され、2016年6月よりから、復興庁の福島復興局長として福島市へ赴任されています。

震災・原発事故からの復興において、福島の抱える課題はより複雑化し、長期化しています。私たちは、一人ひとりの想いを受け止め、その立場にたって考えることも大切であるとともに、福島の抱える課題や復興に向けてどのような取り組みが行われているかなどを、広く理解し、論理的に捉えていく視点も求められます。
そこで、今回は、震災・原発事故から5年が経過した福島県が抱える現状と、復興に向けた取り組みについて詳しくご説明いただきました。

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冒頭、「みなさんにとって東日本大震災は何が一番の教訓だったのか?」という問いかけがありました。
東日本大震災は、未曾有の巨大な複合災害でした。
しかし、今回に限らず豪雨、豪雪、津波、火山の噴火、土砂崩れなど、もしかしたらそれが複合的に起こることもあり得ます。
「自分の身を自分で守る」と考えたとき、そのイメージを持つことも大切だと、気づかされました。

取り組みを説明する際、「復興を前に進めている中で新たな問題が次々と出てくる」と木幡さんがおっしゃっていましたが、それだけ福島が抱える課題が多く複雑であり、前例がない中で試行錯誤しながら進めていることが改めて分かりました。
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「客観的に事実を見ること、声を聴くだけでなく、五感で事実をとらえていくことが大切だと思った」「自分も復興のプレーヤーとして頑張っていきたい」「なんとなくイメージで判断していたが、データを見て合理的に考えることの必要性を学んだ」「現状や復興に向けた取り組みについて、これほど詳しく聞く機会はなかったので貴重で有意義な講義だった」などの声が多く聞かれました。

客観的にデータや取り組みを見ながらお話を伺ったことで、福島ならではの課題の多さや複雑さについても学ぶことができました。また、飯舘村出身として様々な想いを持ちながら、国として福島の復興に取り組んでいる木幡さんの言葉は、より学生の心に響いたと思います。

今回の講演をとおして、多角的にものごとを見る視点をもち、学生が今後の「ふくしま未来学入門」の授業やそれぞれの学類での学びに生かしてもらえたらと思います。

木幡さん、貴重なお時間をいただきありがとうございました。

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