COC公開授業

<社会貢献>平成29年度前期「ふくしま未来学」公開授業について

地域にお住まいのみなさまへ

「ふくしま未来学」科目を一般にも広く公開します

 

福島大学の正規授業を「公開授業」として一般に開放している中には、「ふくしま未来学」の指定科目も含まれています。
「ふくしま未来学」の科目は、東日本大震災および原発事故からの教訓や地域再生にむけた実践事例など、それぞれの職場や現場でも活用できる知見を多く学ぶことができます。平成29年度は「ふくしま未来学入門」以外にも、8科目が公開授業となっています。
この機会にぜひ「ふくしま未来学」の授業を体験してみませんか?

(COC)公開授業科目【前期】
前期は、下記の5科目が公開授業です。
(月曜日2限)
・環境経済学
(木曜日1限)
・(総)ふくしま 未来へのヒント
・(総)グローバル災害論
(木曜日2限)
・法社会学Ⅰ
(木曜日5限)
・地域交通まちづくり政策論

【公開授業(前期)の概要】
●開講期間:4月~8月
●受講料:1科目につき7000円または14000円
●定員:1科目につき5名まで
●申し込み期間:平成28年4月7日(木)~4月14日(木)
授業内容など詳しくはこちらのページをご覧下さい
http://www.lll.fukushima-u.ac.jp/b_jyugyou-03.html

●申し込み/お問い合わせ
福島大学 地域創造支援センター
(事務担当:地域連携課)
TEL:024-548-5211
http://www.lll.fukushima-u.ac.jp/b_jyugyou.html

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第13回 「風評対策に向けた新たな試み」(1/27)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュールhttp://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

 

第13回の「ふくしま未来学入門」は、
福島学院大学 准教授 木村 信綱氏
飯坂温泉「祭屋湯左衛門」若旦那 柳沼 公貴氏(若旦那プロジェクト実行委員会 会長)
土湯温泉「ホテル山水荘」若旦那 渡邉 利生氏(若旦那プロジェクト実行委員会 前会長)
3名の方にお越しいただきトークセッションをおこないました。

 

今回のテーマは「風評対策に向けた新たな試み」
福島県の産業の柱のひとつが、観光業です。かつて、修学旅行をはじめ多くの観光客が訪れていました。近年、それまでにぎわっていた温泉街へ訪れる観光客もゆるやかに減少していたものの、さらに原発事故をきっかけとして大きな打撃を受け、観光客が激減しました。
いまだにその影響がつづく中、その風評被害払拭のために新しい取り組みとして注目されたのが「若旦那図鑑」です。

 

若旦那図鑑とは
土湯温泉を紹介する観光ガイドブックをつくろうということで、福島学院大学の木村先生に若旦那から相談がありました。そこで冊子をつくることを手段に、それで何を成し遂げたいのかを何度も話し合い、コンセプトを明確にし、ゼミ生などと一緒につくりあげたものがこの「若旦那図鑑」。

このガイドブックは、土湯温泉をPRする本であるにも関わらず、露天風呂や客室、豪華な料理の写真はもちろん周辺の観光地の案内もありません。あるのは、土湯温泉の若旦那の写真です。できあがった当初、「若旦那図鑑」を見た若旦那のみなさんは、恥ずかしくて旅館においておけないと思ったそうですが、どんどん問い合わせが殺到してきました。

そのうち、他の温泉地でもマネしたいという声が上がったのですが、その取り組みをマネさせたくないという抵抗もありました。その中で、木村先生は「若旦那図鑑が手に入れた宝に賞味期限がある。おいしい料理もいずれ腐るように、話題になっている「若旦那」という言葉もいずれ忘れられる。そのために、”今”使わなくてはいけない」と、説得したのだそうです。この考え方はどのような業界でも当てはまり、その判断をする決断も場合によっては必要です。

ライバルに自分たちが作ったブランドイメージを共有することはなかなかできないことですが、今では土湯温泉に加え飯坂温泉・岳温泉・高湯温泉が連携し、「ふくしま若旦那プロジェクト」が発足しました。
若旦那たちは、日常の旅館の業務を終えたあと、夜遅くに集まり会議を重ね、熱い想いで「若旦那図鑑」をつくっています。4つの温泉地で連携した「若旦那図鑑ditt’s」は、市内各所で配布中です。

 

応援したい気持ちをデザインする
この「若旦那図鑑」の取り組みをとおして、冊子は手段のひとつで、消費者の「応援したい気持ちをどうデザインするか」という考え方に共感した学生も多く、斬新なアイデアと取り組みに引き込まれる授業でした。「ネガティブなイメージで話題になっていることをチャンスと捉えていることに感銘をうけた」「自分も今がやりたいと思っていることをやろうと決めることができた」「ライバル同士が協力してより良いものを創っていくという考え方が参考になった」といった声が多く聞かれました。

「風評被害」の対策として、正しく情報を提供することも方法のひとつですが、この「若旦那図鑑」のようにそこで頑張っている人を伝えることで、多くの人の興味関心を持ってもらうことによる波及効果を感じました。

 

「ふくしま」としての総合力を高める
また、マイナスのイメージをプラスに転換していくときに、個々に頑張ることももちろん大切ですが、全体の底上げをしていくことも求められています。それは、原発事故で打撃を受けたのは「ふくしま」という全体のブランドイメージだからです。
今回、4つの温泉地が連携した「ふくしま若旦那プロジェクト」の取り組みをとおして、「ふくしま」としての総合力を高めることが、風評被害の払拭につながっていくのだと感じました。

震災・原発事故をきっかけに、これまでゆるやかに下降していた人口や観光客の減少、環境問題などの課題が一気に顕在化したことで、それまであったその問題を自分たちの課題として改めて自覚するようになりました。今、福島でおきていることは福島のみならずどの地域にもあてはまります。

今日の講義をとおして、課題解決に向けた課題や解決策のとらえ方、そのための取り組みについて、新しい視点を持つことができたことは、これからどの分野でも必ず参考になると感じた授業でした。

木村先生、柳沼さん、渡邉さん、どうもありがとうございました。

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●ふくしま若旦那プロジェクト
Facebookページ

●土湯温泉 若旦那図鑑
http://wakadan.com/magazine.html

●土湯温泉 若旦那BAR 005(2016年11月オープン)
http://www.gurutto-fukushima.com/detail/index_502.html

●土湯温泉 ホテル山水荘
http://www.sansuiso.jp/

●飯坂温泉 祭屋湯左衛門
http://yuzaemon.jp/

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第15回スペシャルトークセッションを行います

「ふくしま未来学入門」最後の授業は、スペシャルトークセッションです。

今回は、ゲスト講師に
東京電力ホールディングス(株)副社長・福島復興本社代表の石崎芳行氏をお迎えし、
第1回ゲスト講師のお2人とのトークセッションを行います。

これまでをふりかえるとともに、これからの「ふくしま」をゲストのみなさんと考えながら、
ふくしま未来学入門の授業をとおして「ふくしま」について学んできたことを
それぞれの場所でどう生かし、どのような一歩をを踏み出すのか、
考える時間としたいと思います。

<第15回 「ふくしま未来学入門」スペシャルトークセッション>

●日時:2月10日(金)10:25~11:55
(テスト期間のため、通常の授業より開始が5分遅くなります)
●場所:福島大学L-4教室
●テーマ:「これからのふくしま」から、地域再生に向けたヒントをひもとく(仮)
●ゲスト:
・東京電力ホールディングス(株)副社長・福島復興本社 代表 石崎芳行氏
・フリーアナウンサー 大和田 新氏(第1回ゲスト講師)
・福興浜団 上野敬幸氏(第1回ゲスト講師)

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▼これまでの授業の様子
http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第12回 「復興支援からの地域づくり」(1/20)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュールhttp://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

第12回の「ふくしま未来学入門」の講師は、
田村市復興応援隊の小林奈保子さんと、双葉町復興支援員の芳門里美さんのお二人でした。
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今回のテーマは、「復興支援からの地域づくり」。
特に、小林さんからは「”つなげる”という支援」、芳門さんからは、「妄想から始まるコミュニティ支援」というテーマでお話いただき、その後、丹波史紀准教授をコーディネーターにディスカッションを行いました。

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小林さんは、福島大学の卒業生で、一般企業に就職後、2013年に出身の田村市に戻り、田村市復興応援隊に入隊しました。
田村市は人口約37,000人の町で、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、都路地区(旧都路町)全域が避難指示を受け、一時避難指示解除準備区域に指定されました。その後、2014年4月に避難指示が解除され、住民が帰還を始めました。
田村市復興応援隊の仕事は、主に4つ。ひとつは、帰還した地域住民の思いを実現するサポート。ふたつめは、市や地域住民が主体となる事業のプロジェクト運営支援。3つめは、田村市外・県外の方向けのボランティアやツアー企画。最後にHPやFacebook等での情報発信です。いずれも、応援隊が目指していることは、「(住民が)田村に生まれてよかった」「(外から来た方が)田村っていいね!」と誰もが話すまち。

小林さんは、「復興女子」と呼ばれ、住民からも田村市外や県外の方からも親しまれ、田村市の”顔”とのなってきた存在。しかし、そのなかでも小林さんは、常に「田村にとって必要なことは何か?」を考え続け、葛藤しながらの日々だったそうです。それは、帰還してもなお原発事故の影響を受け、住民同士のつながりが分断された状態が続いていたこと、帰還から月日が経てば経つほど「復興とは何なのか」住民も小林さん自身も分からなくなったことからでした。
そうしたなかで見えた活路は、田村市外や県外の方に田村市に来てもらうことで、住民が「集まる機会」をつくること。外から来る人をきっかけに、住民が主役になる場が生まれ、住民と住民がつながる場が生まれ、住民から「こんなことしたい」という前向きで自主的な動きが生まれたと言います。そうした「他者とのつながりあい、その先に”希望”が見える状態」がコミュニティを再生することであると、小林さんは力強くお話していました。

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芳門さんは、東京都出身で、卒業後にシステムエンジニアとして働いた後、東北地方での活動をきっかけに、2013年より双葉町「ふたさぽ」の復興支援員として、双葉町のコミュニティ支援を担当しています。
双葉町は、人口約7,000人の町で、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、町全体の96%が帰還困難区域に指定され、今もなお、全町民が全国各地(38都道府県)に避難しています。コミュニティの分散、世帯分離により、世代間交流の減少や地域交流の減少が大きな課題となっています。
そうしたなかで、復興支援員から見た双葉町の課題は、住民から「(○○が)無くなった」「(○○が)できなくなった」という声が聞かれること。芳門さんは、復興支援員の存在を「住民の生活に寄り添う、その時間や空間に溶け込むこと」だといい、「無くなった」が「これならある!」、「できなくなった」が「これならできる!」という住民の声に変えることが、私たちの仕事だと言います。

避難生活が6年続き、離ればなれになっている住民からの代表的な声として多くあるのは、「ふるさとの今を知りたい」「双葉のみんなに会いたい」ということ。そうした声に応えるべく、ふたさぽでは、「若者が町に関わることの場づくり」や「復興支援員が見た町民の姿を避難先の住民に報告・動画を上映する」という取り組みを行っています。町の若者が町に関わる活動をすることで、町民が喜ぶ。町民が町民に直接言葉を伝えたり、姿を見せたりする。そうした、町民の声を支援員が町民に対して近くで客観的に伝えながら、町民同士が、話を聞く・伝える場づくりをすることが、コミュニティ支援に必要だと言います。
そこで、住民の方々に寄り添う側に大事なのが、「妄想力」。町民のどんな姿を見たら自分が楽しいかを妄想する。そのときの町民のニヤニヤした表情を妄想する。「○○しなければ」ではなく「○○したい」を考え実行に移す。困難な状況だからこそ、そうしたポジティブに未来を描き、できることを積み重ねることが、人々に希望と進む勇気を与えるのだと考えさせられました。

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学生からは、「お二人に共通していた”きっかけづくり”が必要だと分かった」「”復興”にこれが正解というのはないと思った」「震災の被害は特定の場所だけと思っていたが、目に見えないだけで、被害を受けた地域は想像以上に広いと気づいた」「講義を聞いて、いつまでも復興だ、支援だと言うのではなく、第三者でいることや受け身姿勢でいることは良くないと思った」という感想が聞かれました。震災から7年目に入ろうという今も、地元やその町の方々に寄り添い続ける若い女性のお二人を身近に感じた学生も多く、「自分の地元のために何ができるのかを考えたい」と、学生たちは、自分に置き換えて考えていたようでした。

小林さん、芳門さん、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

★田村市復興応援隊:http://tamura-ouentai.org/ 
 (運営団体: NPO法人コースター http://costar-npo.org/
★双葉町復興支援員(ふたさぽ): https://futasapoblog.wordpress.com/
 (運営団体: 一般社団法人RCF http://rcf311.com/

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第11回 「いるだけ支援」って何だ!  ・・・Just be there(1/6)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュールhttp://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

11回目の授業は、本学行政政策学類教授である、鈴木典夫先生を講師にお迎えしました。
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鈴木先生の授業では、災害ボランティアセンターが取り組んでいる「いるだけ支援」を中心にお話ししていただきました。
いるだけ支援とは、仮設住宅に学生が居住しながら(ご近所づきあいをしながら・学校に通いながら)簡易な生活支援・声がけをし、引きこもり防止に寄与する活動です。

福島県では、今も避難生活を余儀なくされている方がたくさんいます。避難生活が長引き、介護が必要になったり、心の健康が損なわれる方もいらっしゃいます。災害関連死は、災害による直接的な死因ではなく、避難途中や避難後の死因について、災害との因果関係が認められるものをいいます。この災害関連死が岩手県宮城県に比べると、福島県は多い傾向にあります。

鈴木先生が顧問を務める本学の災害ボランティアセンターでは、発災直後から、様々な活動を行ってきました。しかし、仮設住宅に時々行く活動だけではわからないことが多く、足湯などでは、若い人の声が聞こえるだけで心が和むという声が聞かれていました。そこで、一人の生活者である被災者によりそい、時間を共有すること、これまでの先生の経験から仮設住宅にはだれかが常駐するべきだと考え「いるだけ支援」が始まりました。
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以前あるテレビ番組で放送された、いるだけ支援の取り組みをまとめた映像を講義では流していただきました。映像では、いるだけ支援の2人の学生が、仮設住宅で奮闘していました。学生がただそこにいるという存在ではありますが、学生がいることで住民の方々の気遣いや心配、何かしてあげたいという気持ちが生まれていました。学生は住民がつぶやいた一言から、これをやってあげよう、笑顔が見たいとがんばります。学生たちはどんどん成長し、住民の方々は、笑顔でいきいきとしていくのがわかります。

映像のあと、先生は「最近人の心の機微にふれたことがありますか」と投げかけました。心の深い部分、そして、人の心の動いた瞬間やその表情にふれる機会は、ほとんどないのではないでしょうか。人に真剣に向き合うこと、心の機微にふれることは、学生にとって非常に貴重な経験になっていると感じました。

先生は、いるだけ支援は、災害時の特別な支援ではないということも強調されていました。被災者支援ではなく、地域を再生する営みを続けているという言葉が印象的でした。
東日本大震災から5年が経過し、まもなく6年目を迎えます。何か支援をするというより、そこで出会った住民の人に、会いたくなったらまた会いに行くということが大切になってきているといいます。それは、あなたを忘れてないですよ、あなたの存在自体が大事ですよと伝えることが大きいのかもしれません。

学生の感想では、いるだけ支援の取り組みに感銘を受けた、自分も取り組んでみたいという声が多数ありました。この授業の受講者の中には、現在いるだけ支援で仮設住宅に住んでいる学生がおり、今の様子などを話してもらいました。この講義によって、多くの学生が一歩ふみだす機会になってほしいと強く思いました。
鈴木先生、ご多忙のところ、貴重なお話をありがとうございました。
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<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】 第10回 地域のめぐみを活かしたこれからの街づくり(12/16)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
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10回目の授業は、(株)東芝、インフラシステム・ソリューション社 事業開発センター地域エネルギー担当 小西千晶氏をゲスト講師にお迎えしました。
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小西さんの授業は、昨年に続き2回目です。「地域のめぐみを活かしたこれからの街づくり」と題して、日本の電気事情をはじめとして、地域資源を利用したエネルギーについて事例を交えてお話ししていただきました。

岩手県の事例では、岩手県の灯油・重油販売額と、岩手県で生産されたお米の生産額はほぼ同じということだそうです。一生懸命作ったお米が、すべて産油国への支払いで消えてしまうのです。地域にある資源をエネルギーにし、その地域で使うことが大切であることを強調されていました。

岩手県久慈市では、震災後、地域にある資源を見直し、木を加工する際に出た端材をエネルギーとし、しいたけ栽培を始めたそうです。これまで処分していた端材を活かし、無駄にせずエネルギーとする。とても効率がよく、地域にも環境にもやさしい取り組みです。
この取り組みには、企業だけではなく、行政、住民、大学、森林組合、製材業者という多様な主体が関わっています。小西さんからは、「一人一人が自分の役割を果たし、みんなで協力しあうことで実現できる」という力強いメッセージをいただきました。これはこの取り組みに限ったことではなく、何か事業や取り組みを行うときは、お互いを認め合い、助け合って成し遂げていくことが必要だと感じました。

また、世界では森林が減少していますが、日本の森林は増えているというもの驚きでした。
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学生からは、「日本のエネルギー問題は、思っていたよりも深刻であり、真剣に考えなければいけないと思った」「当たり前のことになっていると、無駄が見えづらくなる」「震災があり、あれもできない、これもできないではなく、この地域ではこれができるという見方を変えることが大切」といった声がありました。また、「大企業が地域密着型の活動をしていることに関心をもった」という東芝さんの地域に貢献した活動への興味関心もありました。

昨年建設途中だった、しいたけ工場は生産が始まっており、着実に地域のめぐみを活かしたまちづくりが進んでいることがわかりました。小西さん、貴重なお話ありがとうございました。
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<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第9回グローバルビジネスを経て、土着性ビジネスに賭ける (12/9)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

第9回「ふくしま未来学入門」の講師は、
会津電力株式会社 代表取締役副社長 山田 純さんでした。
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今回のテーマは、「グローバルビジネスを経て、土着性ビジネスに賭ける」。

山田さんは、福島市出身で、クアルコムジャパン(株)の代表取締役社長として、スマートフォン時代をつくってこられた方です。現在は特別顧問をされながら、平成25年より、会津電力株式会社の代表取締役副社長に就任され、グローバルビジネスのご経験から、「土着性」ビジネスの実現にご尽力されています。

 

「グローバルビジネスのスタイル」には、大きく3つの特徴があるといいます。
一つは、事業の根幹は卓越したアイディアと技術があること。
二つめは、開発・生産の場所は問わないこと。
三つめは、販売先は世界中どこでもOKであること。
こうした特徴があるグローバルビジネスが、加速拡大するなか、平成23年に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、山田さんは、「ビジネスはグローバルだけに終焉されていくのか、本当にそれでいいのか」という疑問にぶつかります。

山田さんは、そもそも電気はどこで使われ、どこで消費をするのか丹念に調べた結果から、「地方は都会に電力を供給する中継地」であり、現在の電力生産供給のシステムは「地方からお金が海外に出ていくだけ」のものであることに注目。さらに、会津地方は古くから、電力を生産し、首都圏を支え続けた土地であることから、山田さんは「小さな再生エネルギー発電所が各地域にあれば、地域はより持続可能になるのではないか」という仮説のもと、平成25年に会津電力株式会社を設立しました。

会津電力は、原子力に依存しない安全で持続可能な再生エネルギーの普及を行っています。
それは、地域でエネルギーを生み、そのエネルギーを発電所に近い地元の人が使う「地産地消」スタイル。「地産地消に一番向いているのは、電力・エネルギーだ」と山田さんがいうように、これまで、消費者のお金が燃料産出国の海外に流れていたものを、一部、地元の発電所会社(会津電力)に支払われるという、「エネルギー」と「お金」の流れをかえるしくみです。現在は小規模ソーラー発電をメインにしていますが、今後は、小水力事業・風力事業・森林事業と広げていく構想です。

さらに、電気をつくるだけでは地元への還元は不十分で、つくったエネルギーで新商品やサービス開発するという取り組みにも着手しています。そのひとつが、「ワイナリー」。めざすところは、地域でエネルギーを生み出し、そのエネルギーから生まれたプロダクトにより、地域の人に「長い付加価値」を還元すること。会津地方の豊かな自然のめぐみからエネルギーを得、そこからのプロダクトをつうじて地域の人たちを幸せにする。既存のお金の流れや流通のしくみに縛られない、本当の意味で地元に価値を還元するしくみ。開発・生産の場は田舎、販売先は世界中で、自然資源を利用する「土着性ビジネス」こそが、持続可能な地域社会にするには必要であることを教えていただきました。
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学生からは、「震災を通して生まれた疑問をきっかけにビジネスを生み出す山田さんの行動力に驚いた」「電力は当たり前すぎて疑問を持つことなく受け入れてしまっている社会のしくみがあると思った」「原発への反対の声を上げるのではなく、会津電力のように代替するものを考えていくことが必要だと思った」「地産地消というと、食べ物が主だと考えてきたが、その限界があることを知った」「土着性ビジネスは、田舎こそ輝けるビジネスモデルだと思った」という声が聞かれました。

エネルギーの地産地消というイノベーション。
数々な仮説を立てて、多様な方向性を行動しながら探り、新たな「しくみ」をつくるという、考え方を学ぶ貴重な機会となりました。

山田さん、本当にありがとうございました。

会津電力株式会社
http://aipower.co.jp/

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第8回 ワカモノの夢が地域を変える!(12/2)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
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第8回「ふくしま未来学入門」の講師は、
日本財団学生ボランティアセンター 常務理事の古川秀雄さんでした。

古川さんは、2010年に、大学生の社会貢献活動を促進するために、「Gakuvo(ガクボ)」を設立。ボランティア活動へのキッカケづくりから、活動をブラッシュアップさせるインキュベーション型プログラムを創出し、多くの学生をさまざまな現場へ送り出してきました。
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今回のテーマは、「ワカモノの『夢』が、地域を変える!」

東日本大震災の被災地における学生ボランティアを事例に、「そもそもボランティア」とは何か、なぜ若者に期待をするのかなど、「ボランティア」の本質的な意味を深く捉え直し、自分やこれからの社会について考えました。
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「ボランティア」に対するイメージは、さまざま。無償・自己満・エライこと・・・など。
しかし、ボランティアの本質は、「その困っている人がもう二度と、困らないようにするにはどうしたらよいか?」を考え行動すること。ボランティアをすることや現地に行くことに満足するのではなく、その行為をつうじて、①自分は、②周りの人は、③社会は、④困っている人自身は、どう変わらなければいけないのか、を考える。対処療法的なボランティアから、新たな「価値提案型ボランティア」がこれからの社会に必要なボランティアであると言います。

古川さんは、男女や年代別の「希望」の有無やボランティア活動への参加状況などのデータから、「希望がある人ほど、行動する人の割合が多い」ことを示しました。しかし若者は、希望を持っているものの、地域活動に対しては「参加の仕方が分からない」人が大半。このことは、地域活動への潜在的能動者が多いことを示しており、若者を地域活動の参加に結びつけることができれば、これからの社会が良くなるということも示しています。

若者には、その「存在」だけで、地元の人の表情を豊かなものに戻し、地元の人の希望をつくる力があります。若者が、ボランティアにおけるコミュニケーションをつうじて、地元住民のつぶやきに耳を傾け、寄り添う。そうして、若者が社会とつながり、社会のなかで生きる一人の人間として、人の役に立ち、人々の「希望」の実現にむけて動いていく。この循環こそが、地域や社会を良くするということを教えていただきました。
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受講生からは、「ボランティアのイメージが180度変わった」「ボランティアって身近で日常に溢れていると思った。不安要素がたくさんありボランティアに行けずにいたが、そんなことは関係ないんだと気づいた」「ボランティアは量的な作業ではなく、人と人とが関係しあう活動であることに気づいた」「若者が動かないとやはり社会は変わらないと再認識した」という声が聞かれました。

この講義をとおして、受講生は「自分のいまや未来」を考えるだけではなく、それらと「社会の未来」とを重ね合わせながら、「いま福島大学生として、人や社会にできることは何か」を考える機会となったように思います。

ボランティアをしたことがある学生も、したことがない学生も、自身のこれまでの経験や想いを振り返りながら、古川さんのお話に対して理解を深めていました。「自分にもできることがある」「大学生だからこそできる感情表現や行動力で誰かの支えになれるんだ」「自分の強みを人のために、役に立ちたい」と、次への一歩を踏み出す勇気を、古川さんのお話からもらった受講生が多くいました。これからの受講生ひとりひとりの行動、歩みに期待します。

古川さん、貴重なお話をありがとうございました。

日本財団学生ボランティアセンター(Gakuvo)
http://gakuvo.jp/

<教育><社会貢献>【ふくしま未来学入門】第7回 原発23キロメートルでの医療支援 今現場でなにが起きているのか(11/25)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュールhttp://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

7回目の授業は、相馬中央病院、南相馬市立総合病院で医師をされている、坪倉正治先生をゲスト講師にお迎えしました。

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坪倉先生の授業は、昨年に続き2回目です。先生の授業は、放射線の基礎知識はもちろんのこと、これまでのデータの結果やそれに基づいた分析による説明で、理解が深まります。
先生いわく、福島県内の中高生は放射線のことを学ぶ機会はあるが、それ以降学ぶことはなく、知識が増えていかないとのことでした。
学生の感想では、県外出身の学生は、「全国に知らせていきたい」「家族や友人に正しい知識を広めていきたい」県内出身の学生は、「福島県民として放射線について学ぶこと、伝えていくことは義務」という声があり、今日得た知識をぜひ伝えていってほしい、学び続ける、関心を持ち続けてもらいたいと思いました。

また、印象的だったことが、「健康」の考え方です。避難したことにより、コミュニティの離散、家族の世帯分離が進み、具合が悪いときに「病院に行ったほうがいいよ」と言ってくれる人が近くにいなくなってしまったことで、病気が進行してしまってから病院に来る人が増えたとの話がありました。健康は、普段は意識することが少ないですが、生活環境や周りの人たちとのつながりで保たれていることに気づかされました。また、避難によってコミュニティが失われたことは、多くのことで損失になっていると感じました。
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その他、学生からは「人は一人では生きていけないと実感した」「放射線については学び続けていきたい。自分の言葉で説明できるようになりたい」「この授業を受けられてよかった」「このような授業が学べる福島大学に入学できてよかった」という感想もありました。

放射線のことは、福島にいる私たちだからこそ、理解し学び、伝えていく必要があると実感した授業でした。学生の声には「放射線のことは、多くの人がよくわかろうとしないまま避けていることが、不安にさせていると思った」とありました。そのとおりで、よくわからない、わかろうとしない人が多いことが、放射線や、福島県の農作物等への理解につながっていかないと思いました。福島に住む私たちができること、それを一人ひとりが理解し、行動するきっかけになったと思います。
坪倉先生、たくさんの示唆に富むお話をありがとうございました。

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<教育><社会貢献>「ふくしま未来学入門」第6回 未来創造学~ふたば未来学園高等学校の取組み~(11/18)

昨年度開講した「ふくしま未来学入門」
この科目は、地域課題の解決をめざし行動する企業や個人などを講師としてお迎えし、取り組みや経験について具体的な事例をもとに学び、課題解決型の志向を養うことを目指しています。
今年度は、337名の学生と、公開授業にお申込みいただいた25名の一般の方が受講しています。
(H28ふくしま未来学入門授業スケジュール http://coc.net.fukushima-u.ac.jp/?p=1169

【第6回 -ふくしま未来学入門- 丹野純一氏】
6回目の授業は、ふたば未来学園高等学校 校長 丹野純一氏をゲスト講師にお迎えしました。
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これまで、「ふたば未来学園」というと特色のあるカリキュラムや取り組み、豪華な講師陣などのイメージが強いですが、今回は教育に対しての校長の想いをお伺いしました。

ふたば未来学園高等学校では、教育目標を策定するにあたって、「震災と原発事故を経験した私たちに課せられた使命は何か?」ということをまず考えたそうです。震災と原発を経験した私たちだからこそ、これからどのような社会をつくっていかなければいけないのか、考えなくてはいけないことだと強く思ったそうです。
その中で大切にしているのは「対立を乗り越え共存をはかる力」「コミュニティー能力をはぐくむ」ことだそうです。
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校長が大切にしている、他者を理解しようとする心や、違いを乗り越え共存をはかろうとすることは、どのような分野でも大切なことに思いました。
学生からも、「東日本大震災を経験した者として、この災害を、この事故を忘れさられないためにも、自分たちがこれからの日本を変えていく、つくっていくんだという自覚をもつことが大事だと感じた。」などの声が聞かれました。

丹野校長、おいそがしい中、貴重なお話をどうもありがとうございました。
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