学長及び事業担当者の挨拶

福島大学 学長からの挨拶

福島大学長 中井勝己

福島大学長 中井勝己

 福島大学は、平成25年度の文部科学省「地(知)の拠点整備事業(COC事業)」において「原子力災害からの地域再生をめざす『ふくしま未来学』の展開」の採択を受けました。今日の大学教育では、フィールドワークなどにより学生が自主的に学ぶアクティブ・ラーニング(能動的学習)が重視されています。「ふくしま未来学」は、東日本大震災と福島原発事故の被災地の現場に出向き、課題を理解しその解決を見出すという、地域課題への実践的な学びを通し、地域再生に取り組む人材の育成をめざしています。
 福島県では、いまだに12万人以上の住民が避難生活を余儀なくされ、避難生活の長期化による様々な問題(就労、教育、健康問題等)が継続しています。さらに、産業分野においても、放射能汚染による農業・漁業・林業等が再開できないという実被害や、安全を確認した産物が売れないといった風評被害も続いています。このような状況にある福島をいかに再生させるかは、被災地にある福島大学の大きな社会的使命でもあります。
 また、被災した地域は、日本の21世紀課題を先取りした「課題先進地」とも言われ、少子化・高齢化、産業の衰退、教育・医療・福祉の弱体化、集落の消滅など、地域におけるこれからの課題が加速し顕在化しています。その意味で「ふくしま未来学」は、日本の21世紀課題の解決に貢献できる人材の育成とも言えるものです。
「地方創生」が国の重大な政策として掲げられる中、地域の拠点大学として、「ふくしま未来学」の一層の充実を図っていきます。

ふくしま未来学推進室 室長からの挨拶

三浦室長 2016-06-09 18.06.05 - コピー

福島大学 COC推進室室長      三浦浩喜

 

 

 

 

 

 

 

 

福島大学COC事業「ふくしま未来学」は、原子力災害事故からの地域再生を目指すことを目的とした教育、研究、社会貢献の広い領域にわたる活動です。この事業の中心は、総合科目「むらの大学」で、年間を通した講義の受講、学生同士のグループ活動、様々な準備を経て、地域に泊まりこみで実習、大学で実習において学んだことを深め、広げるという授業科目です。今日の大学教育のキーワードである「アクティブ・ラーニング」の典型的な実践ということもでき、学生達は課題を自分事としてとらえ、思い思いのアプローチで課題に深く切り込んでいます。

どうして今、「アクティブ・ラーニング」なのでしょうか? 「知識偏重」などと批判されることが多い昨今、知識の大小だけで問題の解決に結びつけることができないのは言うまでもありません。しかし、問題を深く理解し、様々な方向から捉えていく上で、アカデミック・スキルの重要性は昔と何ら変わることはありません。その上で今日大切とされてるのは「コンピテンシー」と呼ばれる、個別知識によらない横断的な能力です。コミュニケーションの力であったり、問題解決能力だったり、創造性だったり、協働能力だったりします。こうした能力の多くは、現実的な場面の中で身につくとされます。原子力災害事故からの地域再生を目指すという課題には、教科書に載っているような「模範解答」はありません。「解のない問い」です。地域住民と話し、学生同士で考え、失敗を繰り返す、雲をつかむような活動こそが、まさにコンピテンシーを身に付ける重要な場面と言えます。さらにこうした活動の中で「当事者意識」を育て、「レジリエンス」や「共感力」を鍛えることにつながります。アクティブ・ラーニングとはまさにこうした「21世紀型能力」を育てる上で欠かすことのできない学習方法ということができます。

「ふくしま未来学」は今年で4年目となり、来年度で完成の年を迎えます。5年間で得た知見を、大学の基盤カリキュラムに還元していくという重要な課題に、残された1年余りで取り組んでいく所存です。今後ともよろしくお願いいたします。

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